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41.変わりにはなれないから ページ44

私はきっと、乱ちゃんの代わりにはなれないと思う。

今だってそうだ。

いち兄が抱き締めて心配してるのは、あくまで乱藤四郎であって、私ではない。

私と乱ちゃんは性格が全然違うし、増しては私なんてただの他人にすぎない。

_どの世界に行っても、私は愛されないままだ。


***

鶴丸国永side

抱き締められている乱…中身は人間だが。

一期は怪我無く帰ってきて嬉しそうだが、乱はどことなく不安な表情をしている。

恐らく、前世であまり愛されなかったのだろう。

今、乱が人間だと知ってるのは、本人を抜いて俺一振だけだ。


何で分かった、って言うと、霊力だな。

神力と霊力は似ているが、多少違う。
なんと言うか…感じ方、か?文字で表せないが、感覚で分かる。

それで、乱には神力と霊力、どちらもあった。


普通はまぁ、神力だけだ。
それなのに、乱は人間の霊力まで宿している。

それに、乱には加護もつけてあるし、与えられた神力だって桁違いだ。

察するに、三日月と乱藤四郎の本霊だと思う。いや、本当にただの勘だが。


鶴丸「…でも、何となく分かったな。」


一期に抱き締められている時の、あの表情。
間違いない、あいつは中身は人間だ。

本来なら、あんなに複雑な表情はしない。
例えそれがブラック出身だとしても。

…いつ、分霊の体に魂が入ったのだろうか。


鶴丸「分からない事だらけだな…」


だが、これで暫くは飽きが来なさそうだ。


***

Aside

私は今、お風呂に入っている。

血塗れだったし、昨日はお風呂に入れなかったから、ゆっくり浸かっている。

露天風呂、って言うのかな。かなり豪華だ。


『………』


そろそろ、自分はここから出ていかなくてはないのだろうか。

自分はAであって、乱藤四郎ではない。こんな私、用済みだと思う。

別に拒絶される事に対して、何の感情も浮かばない。慣れてしまったのだ。


『…幸せに浸かるのも、悪くはないけど……現実ってモノを、きちんと見なくちゃな。』


今すぐ折れてしまっても構わない。

自分は一度死んでいる、だから本来輪廻やら天国やら行く筈だったのだ。


『…運命(さだめ)には、逆らえないな。』


もし、自分が死ぬ運命ならば。

それを受け入れよう。


___過去に縛られては、何も出来ないから。


そう思いながら、やけに雲がない空を見つめた。

42.我が儘→←40.良かった?+謝罪あり



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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時

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