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36.清々しい朝 ページ39

Aside

……あ、れ、ここ…

…そうだ、私、神様に生まれ変わって、本丸って所に保護されて…
それで、一人で寝てたんだ。

ゆっくりと上半身を起こすと、襖が開いている。昨日閉めておいたが…誰か来たのだろう。


『…………』


こんなに眩しい朝は、始めてだ。

私は窓もない倉庫に閉じ込められていたから、自然の光はあまり浴びた事がない。

私は立ちあがり、縁側に座る。

涼しいそよ風が頬を撫で、太陽の暖かさが私を落ち着かせる。

悪夢を見た訳でもないが…どうして、こんなに気分が悪かったのだろうか。

そう考えてた時、廊下に繋がる襖が開く音がする。


薬研「お、起きたか乱。」

『…おはよう、薬研。』

薬研「あぁ、おはよう。どうしたんだ、布団も畳まずに縁側に座ってるなんて。」


そう言いながら、薬研は私の隣に座る。

私はそれを気にせずに、正面だけを見つめる。
…暖かい。


『…こんなに清々しい朝は、初めてで。だから、ゆっくり味わいたいな、って思ってたの。』


…そう言えば、私は布団の畳み方を知らないな。
もう充分過ごしたし、薬研におしえてもらおう。

そう思いながら、薬研の方を見ると、美形を思いっきり歪ませてこちらを見ていた。

しかし、私が薬研の方に向くと、すぐ笑顔になった。


薬研「そうか。これからも、朝はこんな感じになるからな。」

『…よし、薬研。』

薬研「ん?何だ?」


私は立ちあがり、個室に続く襖を開けて、薬研に背を向けながら、こう言う。


『…布団の畳み方、教えて。』

薬研「………おう。」


何これ、すごい恥ずかしいな。

そう思いながらも、隣に来た薬研に、丁寧に布団の畳み方を教えてもらった。

私が薬研と目を合わせた時、いつも薬研の顔がほんのり赤くなるのは、気のせいだろう。


***

畳み終わった後、私が着替える為に、薬研には廊下に出ていってもらった。

私は別にそんな恥ずかしがる程ではなかったが、薬研はやけに慌てて出ていったので、少しは疑問に思った。


『着替えたよ、薬研。』

薬研「そうか、じゃあ朝餉を食べに行くぞ。」


そう言って、先に行って先導してくれる薬研。

優しいなぁ、と思いながらも、私と同じくらいの背を追いかけた。


***

おまけ。

本霊主「何やってたのさ、三日月ぃ!!」

三日月「はっはっは、いやなに、愛し子に呼ばれたのでな。」

乱「ただの遊びだよ。」

本霊主「三日月…今日は六時間説教だ。」

三日月「あなやっ?!」

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雪雫(プロフ) - 三日月の本霊がきていたから、薬研と新撰組も乱の中身が人間って知っているのでは?むしろ鶴丸の方こそ人間だと知らないのでは? (2019年12月27日 2時) (レス) id: 48f7317aae (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - ありがとうございます!更新がんばってください! (2018年9月29日 15時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - 乱→145センチ 薬研→153センチ 寄って同じくらいではないです (2018年9月28日 21時) (レス) id: 866317dc4d (このIDを非表示/違反報告)
イケ(プロフ) - 12で三日月出てる? (2018年9月23日 22時) (レス) id: 85ff92ecab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤林檎 | 作成日時:2018年9月11日 23時

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