敗北の味を知る秀才ゲーマー【ノーゲームノーライフ】

20話､面白くなりそうだ。 ページ22

ステさんはA達に用があるようで、ドアの前でうろうろしていた。
ノックすればいいのに。自分、部屋戻れないんですけど。

そういうAの思いが伝わったのか、ステさんはドアをノックした。
すると中から空さんが出てきて、ステさんを見て唖然としていた。というかステさんの格好を見て、だろうけど。

だって、布纏ってるだけ。どこの露出狂だよって格好だから。

「入らせて･･････いただけます？」

そう言うステさんと、ステさんを唖然と見ながら部屋に入れる空さんが、なんだか滑稽だった。

再び廊下が静かになる。

「これ･･････いつ戻ろう。」

空気を読んで戻らぬべきか、空気を読まずに戻るべきか＿＿＿＿。

「あ、ここ悩む場面じゃないじゃん。自分は空気を読まない子だった。」

そう気づいたAは、悩むことなく部屋の扉を開けた。

「ただいまですー･･････って、あれ？ お客さんですか？」
「のぉ!? だ、誰ですの!!」

その時のステさんの驚きようと言ったら、なかった。

「あ、ステさんじゃないですか。なんでそんな格好を･･････露出狂は好みじゃないんですけどねぇ。」
「ろ、ろろ、露出狂じゃないですわよ！」

そう叫んだステさんは、少しAを観察し、思いついたような顔をして言った。

「あ、あなたも先ほど、下で見ましたわ。･･････どういうことですの？」

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