無知な天使はその日旅立つ【浦/島/坂/田/船】 (ページ7)

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あれから数十分。
うらたさんに船内へ連れていかれ、今は坂田さんに船の中を案内してもらっている

うらたさんはあとの2人を探してくると言ってさっき別れた

そして坂田さんはと言えば……

「シルエちゃんか～可愛ええなぁ…」

『…坂田さん。それ､もう5回目です』

ずっとこの調子である
こう…もっと言うことあるでしょう。ないんですか？え？

「嘘､そんなに？あっれぇ…？w」

しっかりしてください…と心の中でため息をつく
口には出さないよ。坂田さん一応歳上だし失礼かなって思ったから。

当の本人は「そんなに言うたつもりないんやけどなぁ～…」と呟いて､小さな木の看板がかかったドアの前で立ち止まった

「ここ､図書室な。色んな国に関する本とか､魔導書とかいろいろあるから､暇になったら来ぃや。センラがよくここに出入りしよるはずやから､なんかあったらあいつに聞けばなんとかなる。…多分。」

いや最後よ。多分て←
…まぁその…センラさん？に聞けば”多分”なんとかなると。

『天使族についての本とか…ありますかね…』

「あると思うけど…どうかした？」

『私､翼はあるんですけど…光輪はないんですよね。ずっと気になってたんです。うらたさんはルシフェルだから､光輪じゃなくて角が生えてるでしょう？でも…私は普通の天使族です。両親にも光輪はあります。だけど…私だけ､ないんです。坂田さんは､なにか知ってますか…？』

「僕に聞かれてもなぁ…うらたさんから少しくらい話聞いてたりはするけど…そこまでは知らんわ。ごめんな。」

坂田さんは王国の人だ。天空の国のことなんてそんなに知らないだろうが。なにを聞いてるんだ私…。

「ただ…」

『………？』

「翼のない天使は処され､光輪のない天使はその姿を世に晒すことを禁ずる…って､なんかの本で読んだことある」

姿を晒すことを禁ずる…

だから､私はあの部屋に……。もし､坂田さんが言っていることが本当だとしたら､お母さんが私を閉じ込めていた理由にもなる。

『あの…それが本当だったら､私…ここに居ていいんですか？』

私がそう言うと坂田さんが「あっ……」と言ってそこに気づいたか…みたいな目でこっちを見てきた。

「ん～……まぁいいんじゃね？」

『……』

そんなに軽くていいのか坂田さん()