2.〜地上〜 ページ6
スっと身体が溶けるような感覚に襲われる
でもそれは一瞬のことで、ゆっくりと閉じていた目を開けると…
『広っ…』
広大な草原が広がっていた
近くにある湖には大きな木製の船がある
「あの船、俺たちのなんだよ。これからあれで旅するからな」
『…随分と大きな船ですね…船員は?』
「4人」
え、少な。
100人くらい乗れそうですけど…
『その人数で大丈夫なんですか…』
「平気だよ。あいつらと5年間一緒に航海してるけど不便と感じたことは1度もねぇから」
『……仲、良いんですね…』
「…時々殴り合いはするけどな」
『……』
私はうらたさんの言葉に顔を引き攣らせた
何をどうすれば殴り合いになるんですか…
思わずうらたさんから距離をとる
すると右足首にひんやりとした感覚が…
『ひぁっ…』
見ると小さな龍のようなモンスターが居た
薄い水色の体、背中には同じような色の翼が生え、尻尾は鱗で覆われている
「あ?……珍しいな…水龍の子どもがこんな所にいるなんて…迷子か?」
こちらを見ていたうらたさんが言う
『水龍…?』
「あぁ、ここら辺じゃ珍しいドラゴンだよ。こいつらは常夏の国に居るはずなんだけどな…親とはぐれたか…親が殺.されたか、どっちかだな」
詳しく話を聞くと、ドラゴンの鱗は薬や武器を作るためによく使われるらしい。だから1部の人達が国を渡ってきたドラゴンを殺.し、鱗を剥ぎ取っているみたい。
私の所に来た子どもドラゴンをよく見ると足に怪我を負っていたため、恐らく親が襲われそこから逃げてきたのだろうとのこと…。
『…ひどい』
私が子どもドラゴンを抱き抱えると、怯えた目でこちらを見てきた
(おねがい…ころ、さないで…)
『?!』
今のは……
「どうした…?」
『声…が、聞こえた…』
「声?」
『…ころさないで…って』
「もしかして……お前」
そのとき、続きを言おうとしたうらたさんの声を新たな声が遮った
「うらさーん!そんなとこでなにしてるん…って…その子は?え?ドラゴン抱えてるんやけど?え?」
船の方を見ると赤髪に黒いローブというとても目立つ人が
『…坂田か…シルエ、話はまた今度。行くぞ』
どうやらあの人が坂田さんらしい
私は子どもドラゴンを抱えたままうらたさんの後について行った
76人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*ぜぶる*(プロフ) - はい◎楽しんでいただけたら幸いです…! (2019年4月6日 17時) (レス) id: dc80dfc2f9 (このIDを非表示/違反報告)
nanohana1448(プロフ) - *ぜぶる*さん» そうなんですか! (2019年4月6日 17時) (レス) id: 0aec07dd47 (このIDを非表示/違反報告)
*ぜぶる*(プロフ) - nanohana1448さん» そうです!2018年のうしさせハロパ衣装見たときにふと思いついたので… (2019年4月6日 17時) (レス) id: dc80dfc2f9 (このIDを非表示/違反報告)
nanohana1448(プロフ) - もしやこれ、メルスト参照ですか!? (2019年4月6日 14時) (レス) id: 0aec07dd47 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*ぜぶる* | 作成日時:2018年11月21日 22時