ぶろっこりーすぷらうとの幻想

Kenta.K×Itsuki.F* ページ20

｢健太さぁん、くっつかないでくださぁい｣

お酒の匂いと、香水の匂いが混ざって、いつもと違う匂いがする樹。くっつくな、と言ってるけど実際くっついてきてるのは樹の方で。

なんでサシで飲みに来てるのに隣に座っているのか謎だし、いつもより少し高めのテンションで俺に寄りかかってくるのが可愛いし、ある意味地獄。

｢樹、くっつくのやめて。飲み過ぎだから｣

へらへらと笑う樹の胸元は大分大きく開いていて、こっちは自制心と戦っているというのに当の本人は呑気だ。

｢飲みすぎてないです〜、全然大丈夫｣

片思い歴3年。自分でもこじらせてると思う。樹に彼女が出来たとか、出来てないとか、そんな話を聞く度に一喜一憂して、馬鹿みたいにド○○キしてきた俺。本当のことを言えば、今だって心拍数の上昇はとどまることを知らない。

｢んも、俺トイレ行ってくるからね｣

｢えぇ、おれも｣

1人とか嫌なんで、と言いながら本当にトイレまで着いてきた樹。無防備で、純粋で、信じられないぐらいに綺麗。

｢ごめんね、樹｣

そう言って樹の口を塞ぎ、個室に連れ込む。さすがに鍛えているから抵抗する力は強いけど、俺だって男だから押さえられなくもない。

｢健太、さん？…怖い｣

｢痛いことしないから、俺に任せて｣

頷いてはくれない樹のズボンを下ろし、全く反応していない自身に手をかける。

｢っやだ！健太さんっぁ｣

｢気持ちいい？後ろ触るね｣

壁に手をつかせて後ろの孔に1本の指をゆっくり沈める。違和感に樹が体をよじるから中を傷つけてしまいそうで怖い。

｢やだぁ、んっや、健太さんっ｣

自身を触る手は止めていないから、慣れない後ろを触られていても確実に快感の波が樹の思考をさらっていくようで、さっきまで俺の指から逃げようと動いていた腰がカクカクと震えるだけになった。

｢ごめんね、俺もう限界なんだ｣

少し柔らかくなったそこに今度は俺の自身をゆっくり沈める。明らかに苦しそうな樹が落ち着くのを待って、優しく揺さぶる。

｢あっあ、ぁあ、やだっやだ｣

弱々しく震えた樹の声が、泣いてると分かって自分の酷さを痛感した。

｢ごめんね、樹。やめる。本当にごめんね｣

もう触られるのも嫌かなって思って出来るだけ触れてしまわないように自身を引き抜こうとするが上手くいかない。

｢いい、今やめたら、健太さん辛いからっ、最後までして｣

いまこの瞬間、確実に俺よりも痛いし、苦しいし、辛いはずなのに俺を気遣う樹にまた心を奪われる。

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