Natsuki.S×Leiya.S* ページ16
“今から帰ります”
メッセージに既読がつかない。多分もうとっくに寝てしまったのだろう。
午前1時。さすがに飲みすぎたと思う。頭どころか全身が重いし、ふわふわと思考がまとまらない。
「ただいま〜」
玄関で靴を脱ぎながらそう叫んでみるけど思った通り返事はない。電気も消されていて、寝室を覗くと布団が左側だけ膨らんでいた。
とりあえず風呂、と思って服を脱いだけど何故か突然面倒になってソファでスマホをいじる。慧人から意味不明のLINEが来ていたけど無視して明日のリハーサルで聞こうと思う。
いつも早起き夏輝くんの寝顔なんて見れるのはそんなに多い事じゃなくて、これって割とチャンスなんじゃないかと思い立った途端、俄然気になってくる。
口開けて寝てたり、白目剥いてたりしないかなとか思いながらポケットにスマホを忍ばせた。
俺の変な想像とは違って、普通に目も口も閉じて眠っている夏輝くん。規則的に動くお腹が生きてるって感じがした。その顔があまりにも綺麗で、吸い込まれるように顔を近づけた。
ちゅ、と唇どうしが触れ合った瞬間ぐるっと回転する視界。一瞬何が起こったのかわからなくて必死にもがけば嗅ぎなれた香りに包まれた。
「恋人の寝込み襲うなんて黎弥もやるね」
子供を褒めるような、でも少しバカにしたようなそんな口調が悔しい。隣に横になっている夏輝くんがふっ、と笑ったのがわかった。
「別にっそんなんじゃ」
「わかってるよ、酔って帰ってきて俺が寝てたから寝顔でも見ようと思ったんでしょ。残念でした、俺には黎弥のことなんて全部お見通し」
いつの間にか夏輝くんが長く伸びた髪をかきあげながら俺に跨っていて、俺の身動きを止めていた。
「いいよね、黎弥から誘ってきたんだから」
誘ってないんだけど、という言葉を発する寸前に唇が奪われた。口の中で暴れ回る舌と優しく押さえられた後頭部のギャップについていけない。
「っはぁ…息、できないわ」
「顔真っ赤。かわいいじゃん」
かわいい、と言われてますます顔が熱くなるのがわかった。カチャカチャとベルトを外されて、全部一緒に脱がされる。
「もう固くなってんだ、キス感じる?」
耳元で囁かれてゾクゾクして身をよじると、優しく自身を握られてふる、反応したのを楽しむようにねっとりした手つきで触られた。
「もっと触って」
「やる気、出ちゃった?」
夏輝くんには本当に適わない。わざとやってるのは分かっているのに手のひらで踊らされてしまう。
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ぶろっこりーすぷらうと(プロフ) - チキン南蛮さん» わかりました!大分お時間かかるとは思いますが気長にお待ちいただけるとありがたいです!! (2020年7月26日 19時) (レス) id: 4144423752 (このIDを非表示/違反報告)
ぶろっこりーすぷらうと(プロフ) - 桃佳さん» ありがとうございます!!めちゃめちゃ嬉しい言葉ありがとうございます^ ^ (2020年7月26日 19時) (レス) id: 4144423752 (このIDを非表示/違反報告)
チキン南蛮(プロフ) - コメント失礼します!颯太×北人、北人受けの裏見たいです! (2020年7月4日 20時) (レス) id: 0efd2edd0b (このIDを非表示/違反報告)
すずまる(プロフ) - ぶろっこりーすぷらうとさん» 自分でも引いちゃう気持ち悪さ笑 最高です!続編楽しみにしてます! (2020年7月4日 11時) (レス) id: d46d4b09ae (このIDを非表示/違反報告)
桃佳(プロフ) - めっちゃ良かったです!ありがとうございます! (2020年7月4日 7時) (レス) id: e7edfdbe3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぶろっこりーすぷらうと | 作成日時:2020年5月16日 19時