ナナは死んだよ (ページ14)

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『消毒するね少し染みるけど我慢してね』

HC「おう」

『これ絆創膏じゃ収まりきれないから包帯巻いちゃうね』

『えーっと、包帯の場所は、、、、』

HC「右の棚の下にあるよ」

『あっあった、ありがと詳しいんだね』

HC「俺よく怪我するからさ、保健室常連患者〜」

膝にとっても大きな傷を抱えながらヘラヘラと笑うイドンヒョクが面白くて思わず私も笑ってしまった

HC「あ、笑った」

『､､､だって面白いんだもんドンヒョク君』

HC「そ〜？そりゃどーも笑てかAちゃん処置じょーず」

『､､､､､､お父さんがよくしてくれてたから』

『今はもう怪我しないからして貰えないけどね笑』

うちの父はとっても気弱な人だけどお節介で人焼きだ

友人と立ち上げた事業が軌道に乗り始め私達の生活もいつもより潤っていたけどその友人が父を置いて事業を投げ出し父に残ったのは多額の借金だけだった

そんな父に母は"新しい事業相手を探せ""このままだと私達家族が"と何度も説得をしていたがそんな時に父が一言

"あいつが戻ってきた時の席が無くなったらあいつ、びっくりしちゃうだろ？"

ヘラヘラと頭を掻きながら言う父に母は呆れ離婚を切り出した

傍から見ればバカな父だ。本当にバカだと思う。

離婚成立後、最後に父に会う機会があり私に父がこう言った

"A、お父さん、どんなにあいつが憎い相手になっても、戻ってこなかったとしても、あいつを信じちゃうんだ、それくらい大事なやつなんだ、そんなやつの存在ができたお父さん、本当に幸せものだと思う"

"Aにもそんな人が、出来るといいなあ"

こんなこと、お母さんが聞いたら発狂するだろう

でも私はお父さんみたいに"大事なやつ"が欲しくなった

残念、私はお父さん似みたい