不審者ＪＫは花粉症らしい【宮治】 (ページ36)

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35 刑事？掲示？京治！ページ36

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『あ、赤葦さんお風呂お先でーす』

「んー」

部屋に行くまでの道中にある赤葦さんの部屋の前を通るついでに声をかける。

と、のんびりしたような声がドア越しに聞こえた。

んー、だって。なにそれ可愛いかよ。

ヤバイなあとか思いながら、乾きたてでまだほんのり熱を持つ髪の毛をさらりとなびかせて

赤葦さんの部屋の隣のドアノブを握った、その時。

「あ、A 」

クリアに聞こえたイケボに反応して振り返る。

赤葦さんが部屋から出てきたようで、ドアノブを後ろ手で握りながら私を見ていた。

『なんですか？』

「いや、ごめん、ちょっと聞きたくて、」

『え？』

モゴモゴと喋る赤葦さんはなんだか新鮮で、恥ずかしがっているようにも見える。

うほお、可愛い…なんて心の中で悶絶。

世の中なんて不平等なんだろう。こんなにイケメンな男子を作るなんて。

そしてどうして私の周りには美男美女が多いのか？果たして。

なんて疑問を綴っていた時、赤葦さんが「あー、のさ」と口を開いた。

「なんで俺には敬語なの？」

後頭部に手を当てて、少し聞きづらそうに尋ねる赤葦さん。

そういえば、確かに敬語だね。デスマス言ってるよ、うんうん。

若葉さんには敬語やめろって言われたけど、赤葦さんにはなんともなく過ごしてたから

敬語で慣れちゃってたんだな。なんて思いながら私はにこりと笑顔を繕った。

『敬語外してもいいってことです、よね？』

「あー、うん。むしろ外してよ、同い年じゃん。」

なんか俺が脅してる感あるよ、といたずらっぽく笑う彼は、

大人っぽすぎて高校２年生なんか見えない。色気ダダ漏れですよーって。

だけど今日の夕飯であるハンバーグを口いっぱいに頬張っていた赤葦さんはまるで小３でした。

可愛かったんです本当に。なんていつのまにか褒めたくっていた、あぶねえ。

『じゃあ外させてもらい、あ、…もらうね！』

癖でまた敬語を使いそうになったけども。

私がそう言って微笑むと、赤葦さんもつられたように笑った。

「あ、あと俺のことは京治でいいからね。

お母さんも"赤葦"だしさ。」

『そーだね京治！』

「いきなりかあ」

『んははっ』

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