ザクロの香りの正体、影山くん。２【影山飛雄】

第５８話 ページ10

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『 ごめんね、待った？ 』


「 や、大丈夫っす。行きましょうか 」





そう言って歩き始める影山くん。

いや待って、言っていい？？



顔良。




そんなん前からわかってたよ？けどね？私服と一緒だからか余計に輝いて見えるんだわ。

なにそのＴシャツにスキニーって組み合わせ。それ似合うのイケメンだけだぞ？

よって彼はイケメン認定してもいいってことだな、もうしてますけど。





ちょうイケメンな私服姿に頭を抱えながら

私はちょこちょこと隣を小走りで並ぶ。






と、それに気づいたのか影山くんが少し歩調を緩めて




「 早かったスカ、 」





と申し訳なさそうに言った。

え、早かったけどさ。早かったけど、貴方にならどこまでもついていける脚力持ってるから平気だよ。



なんて言えないので、「ごめん、ありがとう」と微笑んだ。

それを見て影山くんはもう一度前を向く。






なんか休日も一緒に入れるのっていいなあ

ってかずっとさっきから歩いてるけど、どこの方向に向かっているんだろうか。

プラン予定済みだったり？ひゃあイケメン。




そんなことを思いながら私は影山くんに尋ねる。







『 どこに向かってるの？ 』


「 決めてないっす 」








その言葉に思わずずっこけそうになる。

いや決めてないんかい。これ正当なツッコミね。



私いつもはボケ担当なのに影山くんと一緒になったらいっつもツッコミにまわっちゃう。

影山くんは天然ボケだししかたないか。



とさりげなくディスる。

まあそんなことは置いといて、







『 じゃ、近くのショッピングモール行こ！私見たいものあってさあ 』


「 分かりました 」







えがおでそう誘うと、頷いてくれる影山くん。

頷き方がいちいち可愛いんだよこの野郎！！！！すき！！！



影山くんの可愛さに悶えながら

横断歩道を早足で渡った。









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