ザクロの香りの正体、影山くん。２【影山飛雄】

第５４話 ページ6

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合宿から帰宅して、次の次の日。

私は珍しく早起きをして鏡の前でファッションショーをしていた。




『 うーん……派手すぎ？ 』


『 これは露出多めで引かれるかな、 』


『 このワンピースはブリブリしすぎ？ 』


『 デートなのにパンツスタイルって駄目なの〜…… 』






私を悩ませている原因は影山くんである。

合宿の日の帰り、新幹線が横だったから世間話(笑)してたんだけど。






〈「 明後日、空いてますか 」〉


〈『 んー多分？ 』〉


〈「 なら、会いたいです 」〉








あんな可愛いお顔で！！！！言われたら！！断れねえ！！！

いや断るつもりはなかったんですけれどね。



集合は１０時。

今は７時。３時間もあるじゃんって油断は禁物である。モタモタしてたら時間が過ぎちゃうからね。









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『 早く来過ぎちゃった、 』






駅の前の時計を見ながら私はそう呟く。

あの後、悩みに悩んだ結果、黒の小花柄のロングワンピースに落ち着いた。

まあ変じゃないだろう。


妙に張り切って、指輪とかピアス(実は開けてた)とか付けちゃったけど、引かれないよね？？




大丈夫大丈夫。影山くんは心が広いから全て受け止めてくれるよー、と前を向いたら

めっっっちゃ金髪のチャラそうな人。

と、目があった。





「 おー、お姉さん可愛いね！！ 」


「 お姉さん俺らと遊ばない？ 」





典型的なナンパすぎて笑いそうになる。

その誘い文句は昭和人にしか通用しませんよ。(昭和生まれの人すみません)



まあとりあえず気づいてないフリでもして逃げるか。と、踵を返す。

しつこい奴だったらやだな、と思ったのがダメだったのかフラグ回収を見事遂げてしまう。





「 無視しないでよ〜 」






ガッと右腕を掴まれて、顔を歪めた。こういうタイプは慣れてないし、嫌いだ。


なんで私みたいなブスをナンパするんかね、顔で決めてないんかな？はっ倒すよ？

まあ対処法は学んでいるので(母親伝授)、私はその掴まれた右腕をグリンと反対にした。






『 あーすみません腕が現在進行形で滑ってまーす 』






そう言いながら腕をブンっと振ってアイツの手を振り払うと、

金髪頭は腕が捻れて「イテテ！」と痛がっている。ざまあみやがれ豚のケツ。





とか鼻で笑ったのも束の間、





「 テメエ、舐めてんじゃねえぞ 」





隣にいた茶髪の逆鱗に触れてしまったそうです。









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