ザクロの香りの正体、影山くん。２【影山飛雄】

番外編その２ ページ49

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今日は試合もなく、オフの日。久しぶりにゆっくりできたのはいいけど、Aさんが家にいねえのが癪だ。

生放送のバラエティ収録があるらしく、朝からいないAさん。


代わりに、テレビの中ではにこにことAさんが笑っている。

綺麗な笑顔に俺まで釣られていると、彼女がパッとアップになった。どうやら話がAさんにふられている様子。




［ 続いては………初登場！片山Aさんの“夫への不満”です！ ］


「 ！！！？ 」




聞いてねえ。

不満のコーナーってどういうことだよ、と戸惑う俺に反して、カメラがアンケート？を受けるAさんに切り替わった。


どきどき、わくわく。いや、わくわくはしねえ。めっちゃ怖えし。

青い顔でテレビ画面に釘付けになっていると、スタッフらしき人が「片山さんって若くで結婚してますよね」と前置きを話す。




『 そうですね〜、結構早めかな…… 』


「 相手はバレー日本代表の影山選手ということで、世間からも人気のオシドリ夫婦ですよね！ 」


『 やっだ照れちゃう！！アリガトウゴザイマス！！ 』




にこにこ喜ぶAさんに、こっちまで嬉しくなる。

確かに、ＳＮＳでの反響は良い方だと、以前Aさんが言っていた。ありがてえ。




「 で、年下彼氏なわけですが！不満とかあるんですか？ 」




直球に本題が告げられる。

Aさんは首を傾げた。が、その後すぐに「ありますよ〜！」とにこやかにいう。


あるんかよ………！！

大ショックを受けながら、前のめりでテレビを見つめた。





「 え！どういうところが？ 」


『 えーと、朝起きて一番に「好きです」って告白してくるところとか、お弁当の感想いちいち伝えてくれるところとか、私が出てるドラマとか全部予約して細かく褒めてくれるところとか…………たくさんありますね！ 』



「 凄くいい夫さんじゃないですか！ 」


『 うーん………でも恥ずかしいじゃないですか！！ 』




そう言って頬を赤く染めるAさんを見て、俺は思った。

これからも毎日言おう。









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「 Aさん、おはよう、好きです 」


『 テレビ見てくれなかったの！？ 』


「 見ました、可愛かったです。特に照れてるとこが…… 」


『 ヤメて 』







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