ザクロの香りの正体、影山くん。２【影山飛雄】

第８７話 ページ40

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私が前までできたことができなくなって、それを私の娘がやってくれる。

そんな日常に耐えれなくなった。私がいなくてもこの子たちは生きていけるって考えたら辛かった。

それと同時に、迷惑をかけていることも自覚した。

たくさん迷惑かけてごめんね。最期まで寝たきりでごめんね。

できることならばたくさんのところに連れて行ってあげたかったし、美味しい料理も作りたかった。

ごめんね。私は違うところからあなたたちの成長を見守ってるから。






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遺書、と言う名の私たち宛の手紙だった。

それを見つけたのはお母さんの葬式が終わって、片付けに取り掛かっていた頃。


その手紙を読んでも、不思議と涙は出なかった。

人間ってショック過ぎると何にも言葉が出ないんだなって実感する。




“迷惑をかけてる”

“この子たちは私がいなくても生きていける”



お母さんはそう思い込んでいたみたいだけど……そんなわけないじゃん。

私はお母さんのことを一度も迷惑と思ったことはない。だって家族だから、支え合うのが普通だと思ってた。


でもそれが、お母さんにとっては苦痛だったんだ。

お母さんがいなきゃ生きてけないよ。またお母さんとどっか行きたい。お母さんの料理食べたい。



『 ………う、 』



いつのまにか涙が頬を伝っていた。

もう二度とお母さんの笑顔が見れないって思ったら、もう悲しくて仕方なかった。


脳裏にこびりつく、お母さんの弾ける笑顔。

今にも夢に見る、お母さんに抱きしめられる優しい光景。



私のせいだ。全部。

そんな重りは、お母さんの死から３年経った今日までもずっと重く、のしかかっている。









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しんどくても明るく生きるキャラです、夢主




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