ザクロの香りの正体、影山くん。２【影山飛雄】

第７６話 ページ28

.









「 Aさん、ちょ 」



影山くんの手を引いて逃げるように走ってる、なう。

そんな私に焦ったような声で呼びかける影山くんが可愛すぎて、スピードを緩めた。


そして振り返る。



『 ………ごめん！影山くんヤマベさんともうちょっと話したかった！？ 』


「 ぅえ！？あ、や、別に大丈夫っすけど… 」



勢いよく謝ると、その勢いに驚いた影山くんが後頭部に手を当ててそう言った。

後頭部狙われてんのかな？()


じゃなくて。

可愛すぎかよ、なんだよ「ぅえ！？」って。はあ可愛すぎるだろ、

いや可愛すぎるのはいつもなんだけどね？？？？



って思って唇をとんがらせていると、

影山くんがほっぺを赤くしてこう言った。





「 嫉妬、ですか？ 」


『 ！ 』





ぎゃあアアアアアア！！！図星！！図星ですお見事お！！！

途端に私まで顔面爆発レベルで熱くなるし、まじでお互いりんご病発症する。




『 ……うん、ヤマベさんとずっと喋って私とは喋ってくれなかったの、ちょっとやだった 』


「 可愛いっす 」


『 お？ 』




正直に打ち明けると謎のお返事をされる。

首を傾げた瞬間、私の体はぐいっと引かれて抱き寄せられた。


ひえええみんな見てますよ！！

周りの人たちの視線が痛いが、それ以前に私の心臓がうるさい。

聞こえてないかなどうしましょう！！！？




『 か、影山くん！！！恥ずかしいナ！！！ 』


「 俺も、岩泉さんと仲良かったの嫉妬しました、 」




頬を赤く染めながらそう言う影山くんにノックアウト。可愛すぎワロタ。



っていうかもう答え出てるよな自分

保留とかセコいことしちゃってさ。





『 影山くんのことすきだよ 』


「 ！！じゃあ、」


『 でもバレーの邪魔したくない。 』









.

第７７話→←第７５話【番外編】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す