第60話 ページ12
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『 ん?え、それはライクの方? 』
「 らいく……? 」
『 ごめん難しかったね 』
立ち止まって、端っこの方によりながら私は目を細めて口元を緩める。
きっと彼は私のことを"ライク"の方で、「好き」と言っているんだ。
決して"ラブ"ではない。
少しズキン、と胸が痛んでしまう。発作かしら。
そんなことを考えながら、「影山くん」と彼の名を呼んだ。
『 友達として、好きなんでしょ。 』
「 ?違います、異性としてです。 」
『 んん? 』
キョトン、とした顔でさらりとそう言う彼に首をもっと傾げる。
何かしらの間違いと思っていたものだが、これは間違いではないようだ。
理解していくにつれて頰が赤く染まるのが自分でもわかる。
「 Aさんと付き合いたいです、籍入れたいです、キスもしたいです 」
『 うああああやめて恥ずかしいいいい!!!! 』
そこに追い討ちをかけるかのようにそう言う彼。
籍入れたいとか、普段の私が影山くんに言ってたやつじゃん、、
影山くん私といすぎて私に感化されてたりします?
そんなアホなこと考えている暇はない。
影山くんのことは、好き。
だけど、私と付き合うことによって彼がバレーに集中できなくなったりしちゃったら嫌。
ていうかまず、恋とかまっっったく最近してないしどんなんだったか忘れてんだよなあ。
こんな微妙な気持ちで付き合うのも申し訳ない気が。
多分、好きだろうけど、好きなんだろうけど、まだ分かんない。自覚症状皆無なのである。
私は少し間を開けてから、
ごめん、と口を動かした。
「 なんで謝るんすか? 」
『 え?えーと、付き合えなくてごめんなさいって言うか 』
「 じゃあ許さないので付き合いましょう 」
『 おおそういうシステムか? 』
納得いかない、みたいな表情でそういう影山くんに吹き出しそうになった。
許さないっていう答えもあるのか、めっちゃ面白いじゃん。
…って、頼む許してくれ!!
『 そうじゃなくって!私自身、まだ影山くんのこと好きか分かんない!! 』
「 そ、すか 」
『 だから保留でお願いします……!!! 』
好きと気付くまで、とか都合いいのはわかってるけど
と思いながら駄目元でそう聞いてみる。
と、彼は
「 分かりました 」
了承してくれた。
え?
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あーちゃん(プロフ) - 54話、新幹線が横だったからとありますが、新幹線で、席が隣だったからと表記した方が分かりやすいのと参加した合宿全て、烏野は学校のバスで送迎されていたと思ったんですけど。 (2022年6月3日 18時) (レス) @page6 id: 16452ca9f6 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこみんと(プロフ) - あぁ、今までで一番面白かったです!!!!夢主の性格も影山の感じも全てがいい感じで、もう最っ高でした!!完結ありがとうございます!! (2021年3月31日 11時) (レス) id: c0798800c5 (このIDを非表示/違反報告)
焼き鳥(プロフ) - 完結おめでとうございますー!一部からギャグ恋愛面白かったです! (2020年10月24日 23時) (レス) id: 99af87c35a (このIDを非表示/違反報告)
りんご - あああああ!!影山....カッコいい 赤葦の小説を読みたいという自分もいる...! (2020年8月30日 1時) (レス) id: c401b07093 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり。(プロフ) - ぶりっ子の作品をきっかけにぽむりんこむ様の作品にどハマりしました。。読んでて思ったんですが、主さんの赤葦くん最高すぎます(死)そして影山くん可愛過ぎます、、!私も匂い嗅ぎたいああああ、、笑いも胸きゅんもあって楽しいです!これからも頑張ってください! (2020年8月5日 11時) (レス) id: 2a1f697cc9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽむりんこむ | 作成日時:2020年6月13日 17時