【WT】8歳、国で働く。

【EP.19】 ページ19

ｷｨｨ…

ぶわっと広がる色々な薬品の匂い。

一つ一つ丁寧に並んだ沢山の瓶。



おばあさんとおじいさんの仕事部屋みたいだ。

うわ、残留のポーションもある…


lu「…よし、あったあった…」
ルオラさんは１つの瓶を取り出し包み込むように優しく掴んだ。


『…きりやん様は、今も薬を作っているのですか？』


lu「そうだね…最近はスマイル様と、って感じだけどね。」

じゃあ行こうか、と促されたので私達は部屋を後にした。




…

lu「きりやん様は優しいから大丈夫だよ」

やっぱり初めて会うというものは緊張するものなんですよね()

『…はい』


コン、コン、コン、コン

lu「私、ルオラ・タハティです。メイド長のエタさんに頼まれまして、お薬をお持ちいたしました。新人メイドもいますが入ってもよろしいでしょうか？」

??「うん、いいよ〜！そっちまで行けなくてごめんね〜…」

ドアの向こうからでも伝わる優しさでいっぱいの声だ。

lu「失礼いたします。」
『失礼いたします…』
ｶﾞﾁｬ


目は開いているが、こちらとは目が合うことない。

lu「きりやん様、こちらになります。」


kr「ありがとね。」

lu「いえ…あ！」
自己紹介してね！なんて顔をされた。



『ぁ…初めまして本日から働くことになりました。A・トイヴォです。よろしくお願いします。』

kr「よろしくね…トイヴォ？トイヴォって………ん？あれ？」


『…もしかして、エム・トイヴォですか？』

kr「あぁー！そうそう！よくわかったね？」

『はい、家族ですので…！』

kr「…確かにエムさんとサティさん…
なるほどね()

姪さんか…！
ん？今何歳なの？」

『…8歳です。』


kr「おぁ…()」

ｺﾝｺﾝｺﾝ
??「きりやん、入るぞ」

ｶﾞﾁｬ

sm「なぁ、きりやん……………え？」


ｽｯ
lu「…こんにちは。」
ルオラさんはスマイル様に一礼をした。

私も見よう見まねで一礼をするが、かなりぎこちないと思う。


lu「Aちゃん、メモ帳で会話するのがいいわ。あいさつしなくちゃ…！」

『わ、わかりました…』
私は急いでメモ帳を取り出しつらつらと拙い文章を書く。

これでも頑張ってるんだよ…！


書き終えた私は控えめにスマイル様の前に出して言った。

『お初目にかかります。本日から働くことになりました。A・トイヴォです。よろしくお願いいたします！』


sm「…あぁ、よろしく………





…トイヴォ？」

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