[Epi.1] 地図 2/2 ページ3
万里Side
「ふぁ〜」
今日は朝から普通に登校するつもりでいた。
でも起きたらもう10時を回っていた。
仕方ない。
脳内でそんな言い訳をしつつ、裏門から校内に入る。
裏門から一番近い、準備室が並ぶ廊下を歩いていれば、前方に見覚えのある後ろ姿が、地図と地球儀を引きずりそうになりながら歩いていた。
「今週末空いてる?」
そっと近付いた俺はAが右手に持つ地図を奪いつつ話し掛けた。
驚いた様な表情でAは俺を見る。
俺の質問には答えず、ただじーっとこっちを見てくる。
「おい、聞いてんの?」
俺がそう言えば、ハッと我に返ったA。
そしてほんの少しの間の後、
「暇だよ」
と返ってきた。
「なら公演見に来ねぇ?」
ぽかんとした表情をするA。
「俺の劇団の」
「ああ!そっか万里劇団入ってたんだ!」
はあ?忘れてたのかよこいつ。
と、思いつつも一応言わない。
今重要なのは、Aに見に来てもらうことだ。
「俺主演すんだけど」
「え、行く!」
即答だった。
ガッツポーズしそうになるのを必死に抑えて、何も無いかのように、
「じゃあまたチケット渡すわ」
と言う。
「あ、万里ありがとう」
その声に、は?と思えばもうAの教室がある階だった。
「ん」
地図を渡して、俺は自分の教室に行くために階段を上った。
普通にAの荷物持ってんの忘れてたし、あいつと喋ってると時間感覚狂うわ。
そんなことを考えながらガラッと教室の扉を開けると、担任が「また遅刻かお前」と呆れていた。
❀[Epi.1] 地図❀完
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くらま(プロフ) - あんどーなつさん» ありがとうございます!本当に更新が遅くて沢山お待たせしてしまったと思いますがそう言っていただけて凄く嬉しいです! (2018年3月14日 15時) (レス) id: b9c44cb45d (このIDを非表示/違反報告)
あんどーなつ(プロフ) - ↓つづき 陰ながら、これからも応援いたしますので、ご活躍期待しております (2018年3月13日 22時) (レス) id: 3835216a12 (このIDを非表示/違反報告)
あんどーなつ(プロフ) - 初めまして!本編完結おめでとうございます!毎日毎日、まだかなまだかなと週3を楽しみにしてました!番外編も読ませていただいてます。自分も化学室の机に落書きしたなぁっと思い出しながら、あー。こんな青春したかったなぁなんて、思いながら、読んでおりました笑 (2018年3月13日 22時) (レス) id: 3835216a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くらま | 作成日時:2018年1月28日 21時