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[Epi.1] 地図 1/2 ページ2

ASide



「はぁ・・・重・・・」


右手に、巻かれて筒状になった地図2つと、左手に、少し大きめの地球儀を持って準備室が並ぶ廊下を歩く。

事の発端は、世界史の先生の「あ、地図とか忘れた」という一言だった。

それから、「今日は・・・17日か、じゃあ・・・相良さん!資料室まで取りに行ってくれる?そんなに重くないから」と言われ、断れるはずもない私は言われるがままに教室を出た。

なにが「そんなに重くないから」だ。
地図と言ってもペラペラの紙じゃなくて、広げると、なんか水をかけても弾きそうないい感じの生地が木の棒にぶら下がってる感じのあれじゃないか。

正式名称が何一つわからないけどあれだよあれ。

しかも棒が長い。


2つの地図を半ば引きずるようにして歩いていれば、ふっと右手が軽くなった。

と、同時に右隣から聞き覚えのある声で


「今週末空いてる?」


と来た。


とりあえず確認の為に右隣を見る。


案の定そこに居たのは万里で、あの長くて地味に重い地図を、左手で軽々と持ってくれている。

右肩には鞄が掛かっていて、今登校してきたんだろうなぁ・・・そういえばこの廊下って裏門に近かったなぁ・・・なんて思う。


「おい、聞いてんの?」


その声で、ハッそう言えば質問されてた!
なんて思い出す。


確か、今週末は・・・


「暇だよ」


何も予定が無い。


「なら公演見に来ねぇ?」


こうえん・・・公園・・・講演・・・公演?


「俺の劇団の」

「ああ!そっか万里劇団入ってたんだった!」


すっかり忘れていた。

今の時間はどこも授業中なのに少し大きめの声を出してしまって、ここが準備室だらけの廊下で良かった・・・なんて思っていれば、万里に忘れてたのかよ・・・と言わんばかりの目で見られていた。


「俺主演すんだけど」

「え、行く!」


万里が主演とか見に行くしかないよね。


「じゃあまたチケット渡すわ」


そう言った万里は何故か嬉しそう。


歩きながら話していれば、もう私の教室のある階で。


「あ、万里ありがとう」

「ん」


お礼を言って地図を受け取る。


じゃーな、と言って階段を上っていく万里を見送った。


万里に会えたから、先生にパシられて良かったかもしれない。


荷物をさり気なく持ってくれて、全然関係ない話題振ってくるのなんかちょっとドキッとしたなぁ・・・。


私はニヤけそうになるのを必死に堪えて教室に入った。



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くらま(プロフ) - あんどーなつさん» ありがとうございます!本当に更新が遅くて沢山お待たせしてしまったと思いますがそう言っていただけて凄く嬉しいです! (2018年3月14日 15時) (レス) id: b9c44cb45d (このIDを非表示/違反報告)
あんどーなつ(プロフ) - ↓つづき 陰ながら、これからも応援いたしますので、ご活躍期待しております (2018年3月13日 22時) (レス) id: 3835216a12 (このIDを非表示/違反報告)
あんどーなつ(プロフ) - 初めまして!本編完結おめでとうございます!毎日毎日、まだかなまだかなと週3を楽しみにしてました!番外編も読ませていただいてます。自分も化学室の机に落書きしたなぁっと思い出しながら、あー。こんな青春したかったなぁなんて、思いながら、読んでおりました笑 (2018年3月13日 22時) (レス) id: 3835216a12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くらま | 作成日時:2018年1月28日 21時

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