七十六話 パーティが一人増えました ページ29
貴方side
彼によると、丘の向こうの廃城が、今は図書館として開放されているらしい。す、とスマートに私の手をとった男は、雨上がりの道をスルスルと迷いなく進む。
どうやら大抵の島の図書館には海図というものは常備してあるやつらしい。だから本屋のお姉さんも無料でくれたんだなあ
彼の手はさっきのアイスの影響か少し冷たい。ちらほらと振り始めた陽光が雨の匂いを消していく。
目指す丘の古城は、陽の光の中で悠然と佇んでいた。
一歩街を出ると、なんだか一気に自然に投げ出されたような景観が広がっている。どうやら栄えているのは港近くだけのようだ。
丘までは数メートル草原のような場所が続いていて、さっきの小雨の残り香が強く漂っている。天じゃ感じられない感覚だ。何という開放感！
小さくなったコーンをかじる。美味しかった。ごち！
？「ついたよぃ」
あぁ、と声を返す。見上げたそこにはレンガっぽいものが積み上げられた大きなお城。私の家よりも二、三廻りほど小さい感じだ。
なんだろう、ディ○ニーあっても全く違和感がない感じ。こんなのがある島もあるのか…。
ギ、と彼が扉を押す。嗅いだことのない、いわゆる古臭い建築物特有の少々埃っぽい匂いが顔を掠める。え？掃除してるこれ？
私が独特の匂いに圧されて静止していると彼がス、と扉の奥に消える。あ、そうだよね！行かなくちゃだよね！うんうん！A！怖じけず行きまーす！
ガン○ム出撃！！←
ギシと彼が道を歩く音がする。自分は浮いているので音がしないからする足音は一つだ。
うわーなんかこれ彼目線だと超怖くない？え？どうする？足音立てる？
す、と見上げると彼とガッツリ目があう。…え、こわ。←ビビリ
でもすぐスッと逸らされた。あ、なんかすんません。日本人特有の謝罪精神でちまう〜そんなにスッと目を逸らさないで…
？「…あぁ、あった。とりあえずアンタは座ってな。海図は見つけたら俺が持ってきてやるよぃ」
彼が手を引っ張る先には机と椅子。あ、一応こういうものもあんのね。ここだけ見たら図書館ぽいかも。
貴「良いのか？」
？「すぐに戻るから、おとなしくしてろよぃ」
貴「…？あぁ、わかった」
椅子を引いて私を座らせたあと、彼は迷いなく奥の本棚へと消えていく。
なんだろう、やっぱり彼はこの島に詳しい人なんだろうか。なんだか刺青入ってるからやべー奴かとも思ったけど、アイスくれるし優しいし、普通に優しい海運業の関係者の可能性が微レ存…？
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←七十五話 バニラは最強。異論は認める
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 484人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ありばば - 色々と好きです！！ (2022年8月16日 21時) (
レス) @page29 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
私 - え、これ終わっちゃったんですか？？続きが見たいのですが。お願いします！続きをどうか！ (2022年4月9日 13時) (レス) @page29 id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひぎゃん……好き！！！！！！ (2021年2月12日 2時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
3+6=9(プロフ) - ありなさん» …あ！(気付き) 陛下、ご指摘ありがとうございます！直しときます！ (2021年1月7日 3時) (レス) id: b2259a6e3d (このIDを非表示/違反報告)
ありな - はわわ〜、久しぶりに見にきたら更新されてたあ！ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ(っ´ω`c) それと、1人称が予になってますよ〜、余だよ！(皇帝宣言) 応援してまするー、私は君のファンだからネｯ！(好きです、頑張って下さい) (2021年1月3日 5時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：3+6=9 | 作成日時：2019年3月25日 5時
