六十七話 箱入り娘 ページ20
黄猿side
可愛い子ほど旅をさせよ､なんてよく言ったものだと溜息をついた。
目の前の椅子に座る真っ白な少女がきょろきょろと小さな頭を左右に動かす。
大人しく､姿勢よく､背筋を伸ばし長椅子に腰掛けても､好奇心にかられ辺りを見回す様は高貴な､されど奔放な猫を思い起こす。
まぁ身なりからして高貴な､という点では事実だろうが
無骨で粗野な戦艦の執務室では､明らかに浮いた存在を横目に口を開いた。彷徨う瞳が自らを射止める。
随分と目が綺麗な子だ
ﾎﾞﾙ「わっしはボルサリーノォ……あ〜…黄猿って言った方がわかりやすいかなぁ〜？」
自己紹介､といっても必要かは不明だが。
海軍大将とは"海軍"という組織の花形であり最初に表に出る階級の三人だ。まず知らないという方がおかしい､はずだが
キョトンと目を丸くする少女を見るに､まぁ､おそらくだが､知らなかったのだろう。まさか世界中に支部を持ち､その治安を維持する世界政府直下の大組織､その矢面である大将を知らないという訳でもないだろう……多分､きっと､自らだけなんらかの偶然で目に入らなかったとか
それはともかく黄猿という文字列ならば､生きているのならどこかで目にするはずだが……
貴「あぁ､えっと……」
あぁ､目の前の少女が混乱している。まさに何も知りません､といった風体だ。箱入りだとは思ったがまさかここまでとは
もはや箱入りというより軟禁でもされていたのではないかと思う程知識というか､それに準ずるものが欠けているような気がする
知らないのかもしれないというのはあくまで自らの読みに過ぎないが
大抵この手の子供は知らないこともあるのかもしれない､うん､多分。
貴「余はA。好きに呼んでくれ」
数間開けて彼女が口を開く。なんとなくだが予想と違う名だ､だからなんだという話だが。
ﾎﾞﾙ「へぇ､よろしくねぇ〜Aちゃん」
貴「……」
彼女の名をなんとなしに呼ぶと､驚いたように目を瞬かせる。あぁ､慣れていないのかとすぐに察した。
敬称でも付けるべきだったかと後になって思うがもう後の祭りだ､仕方が無いので押し通そうか。なぜ人間は後になってからいいアイディアが浮かぶものなのか､こういう取り返しがつかないあとに解決策が思い浮かぶ現象が自分は大嫌いだ
どちらにせよ､次に発する言葉は申し訳ありませんになるだろうか……
しかし､予想に反し彼女は何も話さず緑茶を啜った。そう悪い子ではないのだろうなと､考えを改めた
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ありばば - 色々と好きです！！ (2022年8月16日 21時) (
レス) @page29 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
私 - え、これ終わっちゃったんですか？？続きが見たいのですが。お願いします！続きをどうか！ (2022年4月9日 13時) (レス) @page29 id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひぎゃん……好き！！！！！！ (2021年2月12日 2時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
3+6=9(プロフ) - ありなさん» …あ！(気付き) 陛下、ご指摘ありがとうございます！直しときます！ (2021年1月7日 3時) (レス) id: b2259a6e3d (このIDを非表示/違反報告)
ありな - はわわ〜、久しぶりに見にきたら更新されてたあ！ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ(っ´ω`c) それと、1人称が予になってますよ〜、余だよ！(皇帝宣言) 応援してまするー、私は君のファンだからネｯ！(好きです、頑張って下さい) (2021年1月3日 5時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3+6=9 | 作成日時：2019年3月25日 5時
