第五十八話 ある海兵の一日 ページ11
海兵side
晴れ渡る空に､快活に響く海兵達の声。ここは海上軍事本部マリンフォード､正義の聖地だ。
僕はそこに務める一般海兵。今日はレッドラインを超える前に集う海賊を三隻捕まえることが出来た。
といっても自分は救護兵なので前線には出ていないが。
それでも､同じ船に乗る友人達の活躍はとても嬉しい。怪我が増えるのは……ちょっといただけないが。
まぁ仕方の無いことだ､その為に僕はいる。
船から降りて､深呼吸をする。海の上もそれは楽しいが､やはり地上というのはとても落ち着くものだ。
ふぅ､とまた一息はいてオリス広場へ足を向ける。
そのとき
「(あれ……？)」
見慣れない少女が視界の端に映る。
齢は十ほど。流れ落ちる白銀を潮風に流しはためかせ､銀縁に彩られた蒼穹の瞳が軍艦を射止めていた。
纏う白のIラインワンピースは､間違いなく目も眩むような高値なのだと､フリルと刺繍が物語っている。
間違いなく､ここの子供ではない。
このマリンフォードは先程述べたように"海兵の街"。そこに住まう海兵の家族も共に住み､子供が街を歩いていることだって有り得る。
が､しかし､彼女は別格だった。
文字通り､雰囲気から身に付ける装飾品の類から"一般市民"では無い。ありえない。
何処ぞの島の貴族か､姫君だろうか。
「(いやいや､だとしたら何故ここにいるんだ……！？)」
そうだ､ありえない。何故彼女のようなtheお嬢様がこんな所にいるのだ！？と､頭が混乱する。
しかし万が一､億が一､どこかのご令嬢ではなくただ単にここに越してきただけの子供という線も消えてはいない。
友人達に､ここに最近引越して人っているかな？将校以上で……と声をかけてみるが､尽く知らぬ存ぜぬであった。
まぁ､誰がここに越してきたなどという話題はほとんど出ない。知らなくても不思議ではないだろう。現に自分も知らない。
「(うーん……声､かけても大丈夫かなぁ)」
一通り声を掛け終わり､特に収穫もなし。少女はまだそこから動いてはいなかった。
よく見ると､本当に美しい娘だと感嘆が出そうになる。大きな軍艦の群れに飲まれてよく姿を視認できないが､それでも彼女が綺麗だということはわかった。
声をかけても大丈夫だろうか。顔の綺麗な女性は……立場が高ければ特に､性格が少しキツい場合が多い。
自分は一般海兵だ。不敬に当たるようなことは､しない方がいいだろう。自分の首をさすって､決意を決める。
声をかけてみよう､と。
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ありばば - 色々と好きです！！ (2022年8月16日 21時) (
レス) @page29 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
私 - え、これ終わっちゃったんですか？？続きが見たいのですが。お願いします！続きをどうか！ (2022年4月9日 13時) (レス) @page29 id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひぎゃん……好き！！！！！！ (2021年2月12日 2時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
3+6=9(プロフ) - ありなさん» …あ！(気付き) 陛下、ご指摘ありがとうございます！直しときます！ (2021年1月7日 3時) (レス) id: b2259a6e3d (このIDを非表示/違反報告)
ありな - はわわ〜、久しぶりに見にきたら更新されてたあ！ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ(っ´ω`c) それと、1人称が予になってますよ〜、余だよ！(皇帝宣言) 応援してまするー、私は君のファンだからネｯ！(好きです、頑張って下さい) (2021年1月3日 5時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3+6=9 | 作成日時：2019年3月25日 5時
