第四十九話 誰も知らない ページ2
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そこは､この世の贅と嗜好を凝らしたような天に座する間での話。頭上は高く､天井に描かれる細やかな美しい油絵､それはまさに権力の証であった
窓や柱､目につく全ては輝くばかりの白い大理石。嵌め込まれた陽の光に溶けるような金細工と風に揺れる薄いカーテン。そしてそれらを照らす眩いばかりのシャンデリア
見事なまでに美しく磨かれた床を覆い隠す真紅の絨毯の上。金枠に飾られた長椅子に座る人影が､五つ
曰くそこは､権力の間。そこに座する五人の尊老。それこそが世界の"頂点"であった
その男達の前。恭しく頭を垂れる白いスーツに身を包んだ男は厳かに口を開いた。
「いまだ反乱分子を裁ききれておらず､邸宅に近付くものはすべからく排除しておりますが……。御台所様のご意思も以前お変わりはない様子でした」
それに対して､黒服の老衰達は口々にそうか､と呟いた。そして瞳を他の四人に回し､それから一人が口を開いた。
「奴らもおそらく大詰めだろう､マリージョアとて安全とはいえまい。
元帥とも偶発ではあるが出会ってしまわれたそうじゃないか。この機会に外へお連れするのも一計では？」
一人の男がそう言った。その言葉に含まれる感情は､他の四人とも同一であるようだった。
少し間を置いて､別の男が頷きつつ意見する
「だが､どちらにせよ嫁入り前のお体だろう。もしなにかの手違いで賊共に毒されては"すまない"ではすまんぞ」
腕を組み､片目を伏せた男がそう言った。前も言ったが､お怪我でもされては大変だ､と続けて付け加える。
「だが､実を食べてしまわれたそうではないか……しかもなんの偶然かあの実。周期ともあっている。
毒されるなど､馬鹿な事を。社会勉強と言うだろう」
あの方である可能性も高い､と続けた別の男に､また別の男が可能性の話だろう､と噛み付く。
「まぁ､なんにせよ､御台所様であったのならば願れたことを叶えて差し上げるのは我々の使命。
ここも危険やもしれぬとなったのだ､一時避難して頂くのは遅かれ早かれ必要だった」
「そうだな。あの方をお守りできぬのならば我々のいる意味が無い。あの方の命に背くも同然､それは到底許されるべきではない」
口々に男達は､肯定の意を示している。白服の男に下がれ､と命じてまもなく､また一人が口を開いた。
御台所様であれ無かれ『ナイン』という時点で我らの主であることには代わりあるまい。とその発言を持ってこの小さな､大きな会議は閉廷を告げた。
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ありばば - 色々と好きです！！ (2022年8月16日 21時) (
レス) @page29 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
私 - え、これ終わっちゃったんですか？？続きが見たいのですが。お願いします！続きをどうか！ (2022年4月9日 13時) (レス) @page29 id: 8c175f049d (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ひぎゃん……好き！！！！！！ (2021年2月12日 2時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
3+6=9(プロフ) - ありなさん» …あ！(気付き) 陛下、ご指摘ありがとうございます！直しときます！ (2021年1月7日 3時) (レス) id: b2259a6e3d (このIDを非表示/違反報告)
ありな - はわわ〜、久しぶりに見にきたら更新されてたあ！ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｽ(っ´ω`c) それと、1人称が予になってますよ〜、余だよ！(皇帝宣言) 応援してまするー、私は君のファンだからネｯ！(好きです、頑張って下さい) (2021年1月3日 5時) (レス) id: 0b757b95a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3+6=9 | 作成日時：2019年3月25日 5時
