太陽ときみと。2〜Daiki.A〜

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·




携帯を握りしめた手がじっとりと汗ばむ。





まだ早すぎるかな？
というかそもそも起こして欲しいのかな···




画面に表示された時計に視線を落とす。




７時３０分




·····あと３０分だけ待ってよう。

携帯をぽすっと枕元に置いて、ベッドの上で仰向けになる。


布団の温もりが心地よくて、自然と瞼が重くなり静かに目を閉じた。





·





A｢····！｣





どうしよう。完全に寝落ちしてた。

慌てて携帯を探るように枕の下に手を突っ込むと、滑ってコロコロと落ちる携帯。




A｢うわ、····あぁ｣



寝ぼけ眼でぼけーっとしてるのは私の方で。

モーニングコール、私がしてもらった方がよかったんじゃ·····




不器用な手付きで有岡先輩の連絡先を探す。

·········よし。




コホンと１回咳払いをして、喉の調子を整える。






プルルルル·····



プルルルル·····







大貴｢っ、もしもし｣




A｢もしもし····Aです｣




大貴｢ふふふ、知ってるよー｣





電話越しに心地よく響く、先輩の少し低くて掠れた声。


あー·····好きだな。





自然と口元が緩む。そんな私を知るはずもなく、





大貴｢俺朝めっっちゃ苦手なんだけど···楽しみで目が冴えてました｣




先輩の声が当たる耳元がだんだん熱くなるのを感じる。




A｢えー····ふふ、おはようございます｣




顔が見えなくてよかったかも。

先輩の声を聞いただけで少しにやけてしまう表情とか、思わず照れてしまうこととか、



······先輩にバレちゃったら恥ずかしい。





１日の始まりを切ったベッドの上で１人、まだ電話を終わらせたくないな、なんて考える朝。

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