太陽ときみと。2〜Daiki.A〜

48. ページ1

·



慧｢A〜〜、ちょっくら図書館で勉強してくるわ〜〜｣




トートバックに参考書とノートを入れて、肩に掛けながら靴を履く慧ちゃん。





A｢行ってらっしゃい。勉強、頑張ってね！｣




慧｢アイス買っとけよ〜よろしくね〜｣




A｢え、···｣





それは聞いてない、と言う頃には玄関の扉はガチャ、と閉まっていた。



もう、どさくさに紛れて頼みごとして···






と言っても暇だから携帯をつけて時間を確認する。





····10時、何をするにも微妙な時間。




どうしようかな、と携帯を見ながらエアコンの風で冷えたソファにごろん、と寝っ転がる。




すると、見つめていた画面に突然、1件の通知が現れた。





『お嬢さん、今日お暇かな？』





有岡先輩からのメッセージ。


ただ聞かれているだけなのか、何かの誘いか、
···一言だけなのに期待が膨らんでしまう。





｢ちょうど暇してます！暇すぎて忙しいくらいです｣




ちょっとでも会話を終わらせたくなくて、今までにない頭の回転の速さで返事を考える。




『俺も一緒！(笑)』



『あのですね、』



『甘いもの食べたいとか思いませんか？』



『駅前に美味しそうなかき氷売ってる店があるんだけどさ！』




短く区切られた文章が、テンポよく送信される。





スクロールしながらその画面を眺めている私は、きっとにやけてるだろうな。





｢食べたいです！！｣



『よーし！何時頃かな？あ、迎えに行きます！』




耳を澄ませなくても聞こえる心が飛び跳ねる音。




·



慧ちゃん繋がりでもない、有岡先輩とのおでかけ。




····私と先輩の距離、少しは縮んでいますか？

49.→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す