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お腹が満たされるとすぐに動く気にはならなくて、ふたりしてソファにだらけて座った。
背もたれにだらんと背中を預けて座っていると、伊野尾ちゃんは俺の膝の上に頭を乗せて寝っ転がってきて、
「なに？甘えてんの？」と頬をつつきながら笑うと「別に、丁度いい膝枕があっただけ」とか。
ほんと素直じゃないなー、出会った頃は超ピュアで可愛かったのにさ。
まぁ、素の自分を出してくれる方が嬉しいからいいけどね。
ツンデレも嫌いじゃないし。
テレビをつけてしばらく伊野尾ちゃんの髪の毛をくるくるといじりながら、一緒に見ているとウトウト眠そうにし始めるから、
「昼寝する？」
そう尋ねると「いやだ」と何故か即答。
そんなに眠そうなのに…１時間くらい仮眠すればいいじゃないの。
「…せっかく休みなのに寝たらもったいない、山田の持てる力の全てを使って俺を起こして」
「なんでそんな偉そうなんだよ」
やれやれと思いつつ伊野尾ちゃんのテレビの方に向いていた顔を頬に手を添えて俺の方に向けた。
間髪入れずに唇を重ねて、すぐに離すと伊野尾ちゃんの閉じかけていた目がさっきよりも開いていて、
この体制じゃキスしずらいな、と思って頭の下にクッションを置いてあげて、自分は彼の上に覆いかぶさった。
「………あ、え？」
やっと状況を理解したのだろう、伊野尾ちゃんの目はもう完全に覚めているだろうけど俺はそれに気付かないフリをする。
「じゃあ、今から俺の持てる力の全てを使って伊野尾ちゃんを起こすから」
「…っ、も、もう起きて…」
「伊野尾ちゃんはなんもしなくていいからね？」
自分の今の表情は見えないけど、きっと百点満点の爽やかな笑顔を浮かべているだろう、そして伊野尾ちゃんにはその笑顔が凄く憎たらしく見えるんだろうな。
両手首を抑えつけて抵抗できない伊野尾ちゃんの唇に再び口付けて、舌を絡めさせる。
深いキスを繰り返して息があがってきたから顔を離すと涙目で俺の事を見て、色っぽい表情。
怒るかなって思ったのだけど、いつの間にか伊野尾ちゃんの手が俺の首に回っていて離していた顔を再び引き寄せられた。
「……したくなっちゃた？」
「うん、山田、もういっかいして…」
……伊野尾ちゃんって、ほんっと予測できないような所で急に素直になったり可愛い事言ったりする。
それに毎回キュンキュンさせられるから悔しい。
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作者名：supika
| 作成日時：2024年2月18日 13時
