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伊野尾ちゃんのスウエットに手を入れて素肌にふれると、ふぇ…と声を漏らして涙目になっている。
嫌がってないか不安になりそうになったが、伊野尾ちゃんの俺の背中に回す手にギュッと力が入って。
大丈夫だから、続けて？
と、目でそう訴えかけられている気がした。
服を捲りあげて身体にキスを落とすと、緊張で強ばっていた身体から少しずつ力が抜けていき、感じているような反応をしてくれる。
「あ…や、やま、だ…」
「…声、かわいい」
俺がそう言うと伊野尾ちゃんは恥ずかしそうに口元を抑えようとするから、顔の横に手を押さえつけた。
「なんで？聞きたい」
「や、やだ…キモイもん」
「かわいいって言ったじゃん」
俺が嫌なの！とキッと睨みつけてくる伊野尾ちゃんの素肌に不意打ちで触れると、また「んっ…」と声を出して、再び赤面して、
「…っ、山田いじわるっ！」
「ふふ、ごめん」
「なに笑ってんだよっ」
そうやって怒る姿も可愛くて「ごめん」と謝りながらちゅっと短くキスをする、
伊野尾ちゃんの指先に手を絡ませながら何度か短いキスを繰り返すと許してくれたようで、彼からもキスをくれた。
ズボンに手をかけるとまた戸惑った様子を見せたけど、覚悟を決めたのか俺の腕をぎゅっと掴んで目を瞑っている。
「…優しくする」
「ん…」
伊野尾ちゃんとの初めての行為は凄く気持ちよくて、
初めてで絶対キツいだろうに何度も俺の目を見て「嫌じゃない」と伝えてくれたのが嬉しかった、これ以上無いくらいの幸せを感じた。
「…伊野尾ちゃん」
「んっ、…な、なに？」
「好きだよ」
おでこにキスを落としながら言うと、目を見開いてふるふると震えている。
「なんで、今…」
「言いたくなった、ふふ」
「…っ」
俺も好きって、返してくれるかなって期待して見つめていると伊野尾ちゃんは「やっぱり山田は意地悪だ…」って少し悔しそうに唇を噛み締めた。
「俺が山田のこと大好きなの、知ってるくせに…」
「知ってるけど、定期的に聞きたいの」
怒りながらも「大好き」って言葉のチョイスをする辺りが愛おしい。
もっとちゃんと言って欲しかったけど、今回はそれで許してあげる事にした。
シャワーを浴びて、二人でベットに寝転び、疲れたのかスヤスヤと一瞬で寝てしまった伊野尾ちゃんをぎゅっと抱き締める。
身体が触れ合う安心感を感じながら、俺も目を閉じて意識を手放した、温かい夜だった。
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作者名：supika
| 作成日時：2024年2月18日 13時
