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昨日の出来事はやっぱり夢だったのだろうか…。
そうだよね、伊野尾くんが俺の事好きなんてありえないし。
でも、確かにあの唇の柔らかい感触は残っている。
夢ではないと信じたい。
学校が終わったら今度こそ話をしなくちゃ。
そう思いつつも…俺のバイトが長引いてしまったり…伊野尾くんのバイトが急に入ったりしてしまって…
そうこうしているうちに3日も経ってしまった。
「伊野尾くん…」
「んー?」
椅子の上で膝を立てて、朝食のパンにかじりつく伊野尾くんを見ていると、なんかだんだん自信が無くなってくる。
3日経っても全くあのことに触れてこないってことは…無かったことにしたいのだろうか、それとも…寝ぼけてたから覚えていないとか?
どちらにせよ、終わってしまったと思っていた関係を奇跡的に続けていられているんだからわざわざ壊すような真似は出来なかった。
一夜の過ちだと思って忘れるのが多分一番賢い選択だ。
「今日もバイト?」
「あー、今日は休みだよ、睫擇蓮」
「俺も今日休み!久しぶりだね、休み被るの」
俺がそう言うと伊野尾くんは残っていた一口サイズよりも少し大きめのパンを無理やりに口の中に押し込んだ。
「んっ、…今日、何食いたい?」
「え…」
「最近カップ麺ばっかだったから、暇だしなんか作るよ」
口に含んでいた紅茶をごくり、と飲み込んで思わず見つめていると、伊野尾くんは怪訝そうに目を細める。
「…なに?何でもいいならテキトーにするけど」
「あ!いや、えっと…じゃあハンバーグ!ハンバーグ食べたい!」
せっかく伊野尾くんが作ってくれるって言っているのに突然の事に慌てて、とりあえず思いついたものを言うと、
口元に手を持っていってくすくすと伊野尾くんは肩を揺らした。
「ははっ、ハンバーグとか、ガキみてぇ」
………笑った。
伊野尾くんが笑った。
いや、普段笑わない訳ではない無いんだけどこんな風に純粋な笑顔を見せてくれる事はかなりレアで…
心臓をぎゅっと鷲掴みにされたような感覚に陥る。
……可愛すぎるだろ。
「ハンバーグかぁ…レシピ調べてみる」
「俺も手伝うよ!」
「いいよ、料理担当は俺だし」
いや、手伝う!って言い張ると伊野尾くんは折れてくれて、わぁーったよ、と椅子から立ち上がった。
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shootingstarhap(プロフ) - supikaさん、読んでくださってありがとうございます…m(_ _)m自信がないので、もし空いてる時間があったら是非、感想くださいm(_ _)mよろしくお願いします(^^)頑張ります(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました!昇天しちゃいそうですね〜笑笑 お話書き始めたんですね!読ませていただきました(´˘`*)楽しみにしているので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月21日 9時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 番外編読みました(^^)そうだったんですね…!このこと睫擇気鵑知ったら、昇天しち(いますかね?あー…教えてあげたいです(笑)ずっと書き手さんって凄いと思っていましたが、自分も書いてみて、改めて書き手さんって凄いって思いました!また楽しみにしています(^-^) (2020年6月21日 1時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - musicmans5962さん» そうなんですよ!笑 裏設定でずっと考えていたのですがなかなか出すタイミングがなく番外編にしてみました!睫擇気鵑瓩辰舛磴瓩辰舛禊遒屬任靴腓Δ 笑笑 読んでくださってありがとうございました! (2020年6月21日 0時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - きゃあ!もうそうなんですねいのさん。いのさんの方が先に睫擇気鵑卜に落ちてたんですね( ´ ▽ ` )きっとそのことを睫擇気鵑知ったらものすごい喜ぶんだろうなあ( ´∀`)番外編も読めて、めちゃくちゃ嬉しかったです!ありがとうございます。 (2020年6月20日 23時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年5月11日 12時