ツンデレーションギャップ tk*in

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なんとかネットで同一商品を見つけて注文をし、
届いたのはギリギリ伊野尾くんの誕生日の前日で胸を撫で下ろした。


誕生日当日のプレゼントのサプライズは無くなってしまったけど、一緒に料理したり、ケーキを作ったり

いつもより少し高めのワインをあけちゃったりして楽しく過ごした。


当たり前のように伊野尾くんの誕生日を祝えるのってすごく嬉しい。




確か、初めて伊野尾くんの誕生日を祝ったのは高校の時だ。

「そういえば誕生日っていつ？」となんとなく尋ねると「今日」なんて言うから慌てて購買に行って焼きそばパンを奢ってあげたんだっけ、懐かしいな。



思い出し笑いをしているとお酒を飲んで少しほろ酔いな伊野尾くんが「何笑ってんの？きも」と膝の上に座ってきた。

言ってることツンなのに行動デレなんだよ。



抱きしめて欲しそうに俺の両手を掴んで自分のお腹の辺りに押し当てるからぎゅっと力をいれると満足そうにへへっと嬉しそうに声を漏らす。



「…伊野尾くん、甘え上手になったよねぇ」



後ろから耳を甘噛みすると体を揺らしながら無邪気な顔で振り返って「んん？」なんて言ってるけど…

最初からこれ狙ってたでしょ？

本当に最近の伊野尾くんはあざとくて困る。






しばらくイチャイチャして、

酔っ払っているから伊野尾くんはいつもよりデレ成分が多めだった。
にこにこ笑っていて可愛い、機嫌もすごくいい。

今なら聞いても怒らないかな…なんて思って気になっていた事を聞いてみる。



「あの…伊野尾くん」

「ん？」

「指輪、さ。なんでもう一つ欲しかったの？」



俺の問いに目をぱちくりとさせている。
やっぱり聞いちゃまずかった？と思いつつも怒っている様子ではなかったからもう少し返答を待ってみることにした。

ちょっとの間の後、俺の膝から降りた伊野尾くんが、ふいにさっきプレゼントした指輪が入った紙袋を手に取ると包装をとき始めて、

俺はその様子をぼやっと眺める。

今、彼の指に嵌められているものと全く同じ、新しい指輪を手に取ると隣にちょこんと座って俺の手をぐいっとひっぱった。



「……�睫擇法△△欧茲Δ隼廚辰董�

「……………え？」


伊野尾くんの誕生日なのに、なんで俺が？
頭の上にいくつものクエスチョンマークが浮かぶ。


新しい指輪を伊野尾くんが俺の指に嵌めて、
その意味が未だに分からない俺は呆然と伊野尾くんを見た。

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