ツンデレーションギャップ tk*in

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睡魔と戦いながらそれだけ言うと、俺の背中に手を回してまた規則的な寝息が聞こえてきた。

付き合って何年も経っているのに俺は伊野尾くんにドキドキさせられっぱなしだな…。

今のは…反則だよね。


「…デートかぁ」


さっきまで死ぬほど眠かったのに完全に目が冴えてしまって、スマホで明日のデートの行き先を調べ始める俺、

相変わらず伊野尾くんに甘々だなぁ、と思った。






朝、起きて朝食をつくっている伊野尾くんに「今日のデートどこ行こうか？」と尋ねると「ほぁ？なんの話？」なんて言われたけど。

伊野尾くんの寝ぼけてる時の記憶がすっぽ抜けるとこは昔から変わってないな……。








.




付き合い始めてついに４年目に突入する。



そしてもうすぐ伊野尾くんの誕生日、

今年はとびっきりのサプライズをしたいなと俺はうきうきしていた。





「�睫據∈Ｇ�の誕プレ欲しいものあるんだけど」




うきうきは当の本人にぶっ壊されてしまったけど。

当日にケーキ作ったり、部屋飾り付けたりして驚かせたかったのに…と少しがっかりしながらも、可愛い恋人のリクエストにはもちろん全力で答えるつもりだ。



「何が欲しいの？」


２人でソファに腰掛けて欲しいものを聞こうと顔を覗き込むとぽっと顔を赤くして、

俯いてしまった彼の手元をよくよく見てみると人差し指に指輪が嵌められていた。
その指輪を手でゆっくりとなぞりながらもごもごと話し始める。



「……�睫擇�…この指輪、くれたでしょ？」

「うん、懐かしいね。確か大学の時に…」

「おんなじの、もいっこ、欲しい」



………んん？

え、同じデザインのものが欲しいってこと？

伊野尾くんの謎のリクエストに思わず言葉をつまらせてしまった。


だってその指輪安物だし…
いや、あの時の俺にとってはバイト代を結構つぎ込んだ高級品だったけど。

そろそろちゃんとしたものをプレゼントしたいなって思っていた。



「えっと、それでいいの？もっとちゃんとしたやつ…」

「これがいい」

「でも…」

「これがいいって言ってる！他のやつ買ってきたらぶっ壊すから」



ギロッと俺の方を睨みつけながらそんな事言うから圧倒されて「わ、分かった…」と頷いた。

今つけている指輪のデザインが気に入ってるようだ。
予備にもうひとつ欲しい、とかかな？


…というか、

その指輪結構前に買ったやつだし、同じやつ見つけられるかな…。

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