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「伊野尾くんってさー…」
「ん?」
「どんな子がタイプなの?」
そういえば伊野尾くんの浮いた話って聞かないなって思って。
気になって聞いてみたら伊野尾くんは眉をひそめた。
「…なんでお前と恋愛話しなきゃいけないんだよ」
「え〜いいじゃん!俺も教えるから」
「別にお前のタイプとか興味無いんだけど…」
相変わらずドライな伊野尾くんは俺に向けていた目を机の上の参考書に戻した。
シャーペンを持つ手をじっと見つめていると、初めて話した時の事を思い出す、あの日も手が綺麗だなって思ったんだよなぁ。
「俺はね〜細身で、可愛いか美人かでいうと美人が好きかな〜」
「あっそ、うるさいからあっち行ってくんない?」
「ねぇー!伊野尾くんは!?」
はぁ…とため息をつくと俺の事を無視して勉強することの方がめんどくさいと考えたのか、しばらく考え込んだ伊野尾くん。
俺は何故か少しドキドキしながらその答えを待った。
「……俺に興味無い人、かな」
「…伊野尾くん、恋愛する気ある?」
やっぱり、そんな感じだろうなとは思っていたけど。
ほら、答えたんだからいいでしょ。と伊野尾くんは参考書のページをめくった。
「…じゃあさ!」
「まだなんかあんの?」
「お…」
俺とかは?
と、無意識に聞いてしまいそうになって
寸前のところで思いとどまった。
身を乗り出したくせに、その先を言わない俺に対して伊野尾くんは「は?何?」と怪訝そうな顔をする。
「なんでも…ない、ごめんね邪魔して」
「…別にいいけど、なんなのお前」
……俺はいったいどうしてしまったのだろうか。
伊野尾くんが想像通りに恋愛話には興味が無いことを知ってほっとしてしまっている。
もしかしたら、伊野尾くんの他の人には踏み込んで欲しくない部分に俺は踏み込んでいいのでは無いかと期待してしまっている。
そんなモヤモヤした気持ちには名前をつけないまんま、また1年過ぎていった。
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大学3年生になった。
伊野尾くんはその日、サークルに新しく入った1年生の歓迎会があるとかで、「めんどくさー…」と言いながら嫌そうに家を出ていった。
俺は俺で友達と遊んでから帰ってきて、家の鍵がかかっていたから伊野尾くんまだかー、なんて思いながらポケットの中を探る。
鍵を見つけて部屋に入り、ソファに座ると玄関の方でガチャと音が聞こえた。
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shootingstarhap(プロフ) - supikaさん、読んでくださってありがとうございます…m(_ _)m自信がないので、もし空いてる時間があったら是非、感想くださいm(_ _)mよろしくお願いします(^^)頑張ります(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました!昇天しちゃいそうですね〜笑笑 お話書き始めたんですね!読ませていただきました(´˘`*)楽しみにしているので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月21日 9時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 番外編読みました(^^)そうだったんですね…!このこと睫擇気鵑知ったら、昇天しち(いますかね?あー…教えてあげたいです(笑)ずっと書き手さんって凄いと思っていましたが、自分も書いてみて、改めて書き手さんって凄いって思いました!また楽しみにしています(^-^) (2020年6月21日 1時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - musicmans5962さん» そうなんですよ!笑 裏設定でずっと考えていたのですがなかなか出すタイミングがなく番外編にしてみました!睫擇気鵑瓩辰舛磴瓩辰舛禊遒屬任靴腓Δ 笑笑 読んでくださってありがとうございました! (2020年6月21日 0時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - きゃあ!もうそうなんですねいのさん。いのさんの方が先に睫擇気鵑卜に落ちてたんですね( ´ ▽ ` )きっとそのことを睫擇気鵑知ったらものすごい喜ぶんだろうなあ( ´∀`)番外編も読めて、めちゃくちゃ嬉しかったです!ありがとうございます。 (2020年6月20日 23時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年5月11日 12時