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お腹も空いたし仕方なく味噌ラーメンを手に取ってお湯を沸かした。
待ち時間の3分、特にすることも無くてぼけーっと待っているとさっきまで寝ていたソファの上でスマホが通知音を鳴らす。
電話の相手は大学に入ってから仲良くなった薮くんからだった。
「もしもし?」
『よっ!睫據舛前さ、今から合コン来れない?』
来る予定だったやつが急用で来れなくなっちゃってさー、と電話越しに話す薮くんの声の他にガヤガヤと音が漏れてきている。
「合コンかー…」
電話を片手にたった今お湯を注いでしまったカップ麺を眺めた。
あと、日付が変わる前に帰ってくるはずの伊野尾くんの顔も浮かんで、
なんとなく、おかえりって言いたいなぁ〜って思って。
「んー…今日はパス」
『まじかよ〜、お前来たらみんな喜ぶのに!』
「ごめんごめん」
『最近来ないよな〜彼女でも出来た?』
彼女…は出来てないけど…。
なんでだろうな、確かにここ1年くらいはそうゆう場には行ってないような気がする。
「…俺、そういうの求めてない時期なのかも」
『睫擇砲修鵑併期が来るなんて…』
薮くんはじゃあ他当たってみるわ、といって電話を切ってしまった。
ツーツー、と鳴り響く音をしばらく聞いていたらとっくに3分が過ぎていることを忘れていて、ラーメンはのびきっていた。
暇すぎて、仕方なく机の上に課題を広げて最初のうちは真面目に取り組んだ。
でも、だんだん眠くなってきてウトウトしていると、ガチャと扉が開く音と気だるげな声に閉じかけていた目が開く。
「ただいまー…」
「伊野尾くん、おかえり!」
俺が微笑むと伊野尾くんはキョトンとした顔をした。
「…あれ?お前合コン行ったんじゃねーの?」
「え、なんで?」
「バイトの前にたまたま薮に会って、お前の事誘うって言ってたから」
ふぁ〜って欠伸をしながら伊野尾くんは俺と同じようにカップ麺が入った箱の中をガサゴソと漁る。
薮くん、余計な事言わないでよ…と心の中で恨んだ。
……いやいや、別に伊野尾くんに俺が合コンに誘われた事を知られても不都合はないよね?
「…なに?難しい顔して」
「……なんでもない」
不意に顔を上げると伊野尾くんはお湯を注いだカップ麺をテーブルの上に置いてその前に両膝を立てて座っていた。
小さくおさまったその猫背の背中を見て
抱きしめたら折れちゃいそうだな、なんて考えてしまった。
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shootingstarhap(プロフ) - supikaさん、読んでくださってありがとうございます…m(_ _)m自信がないので、もし空いてる時間があったら是非、感想くださいm(_ _)mよろしくお願いします(^^)頑張ります(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました!昇天しちゃいそうですね〜笑笑 お話書き始めたんですね!読ませていただきました(´˘`*)楽しみにしているので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月21日 9時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 番外編読みました(^^)そうだったんですね…!このこと睫擇気鵑知ったら、昇天しち(いますかね?あー…教えてあげたいです(笑)ずっと書き手さんって凄いと思っていましたが、自分も書いてみて、改めて書き手さんって凄いって思いました!また楽しみにしています(^-^) (2020年6月21日 1時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - musicmans5962さん» そうなんですよ!笑 裏設定でずっと考えていたのですがなかなか出すタイミングがなく番外編にしてみました!睫擇気鵑瓩辰舛磴瓩辰舛禊遒屬任靴腓Δ 笑笑 読んでくださってありがとうございました! (2020年6月21日 0時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - きゃあ!もうそうなんですねいのさん。いのさんの方が先に睫擇気鵑卜に落ちてたんですね( ´ ▽ ` )きっとそのことを睫擇気鵑知ったらものすごい喜ぶんだろうなあ( ´∀`)番外編も読めて、めちゃくちゃ嬉しかったです!ありがとうございます。 (2020年6月20日 23時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年5月11日 12時