ツンデレーションギャップ tk*in

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「……伊野尾くんは俺にこんな風にされるの…迷惑？」



ちょっと意地悪な質問をしてしまったと自分でも思った。
案の定、伊野尾くんは唇をぎゅっと噛み締めて少し視線を下ろす。


「……っ、迷惑…じゃ…ないけど」


歯切れ悪くそう言うと顔を真っ赤に染めて、ぽすっと俺の肩に頭を預けてきた。
多分俺に両手を掴まれたまんまだから、顔を隠す為にそうしたんだろうけど…


え、やば…可愛すぎない？
見下ろすとふわふわの髪の毛がすぐ近くにあって、ふわっといい香りが鼻を通り抜ける。



「伊野尾くん…」



手首を掴んでいた手を動かして、伊野尾くんの綺麗な指の間に滑らせた。
優しく握ると、少しだけ握り返してくれて、


自然と俺の肩から顔を上げた伊野尾くんの唇に自分のを重ねると…やっぱり、すんなりと受け入れてくれる。

…これって、そういう事でいいんだよね？


深くキスをすると伊野尾くんがふらふらし始めたから、両手を腰に回して体を支えた、伊野尾くんは自由になった手で俺の服をきゅっと握る。




「好きだよ、伊野尾くん」



口を離し、至近距離で見つめあったまま改めて伝えると、とろんとした表情の伊野尾くんは小さく揺れた。








.




伊野尾くんとのお付き合いが始まって、一応半年ほど経った。





「伊野尾くん！一緒にお風呂入ろうよ」

「うるさいキモイ１人で入れ」


…そんな、ゴミを見るような目で見ないでよ。
俺たち一応両想いなんだよね？

ソファに両膝を立てて何やら本を読んでいる伊野尾くんの隣にドカッと座ると、反動で伊野尾くんの体も揺れる。


「狭いからあっちに座って」

「え〜！伊野尾くんとくっつきたいのに」

「俺はくっつきたくない」



挙句の果てには本から視線は外さずに足で俺の事を蹴ってきて、「いってぇ！」とオーバーなリアクションをとっても無反応。


流石に俺もちょっとへこむんですけど。


ちょっといじめてやろうかな、なんて思って俺の事を蹴っていた足をガシッと掴んで少し上に上げると伊野尾くんはやっと本から顔を上げた。




「………はなして」

「やだ、だって伊野尾くん離したら俺の方見てくれないでしょ？」


そのまま伊野尾くんに近づいて足首辺りを掴んでいた手を少しずつ太もも辺りまでうごかすと目に見えて焦り出す。


「わ、分かった、本読むのやめるから。それやめて…」


遂に伊野尾くんは持っていた本を閉じた。

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