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朝起きると休みだっていうのに伊野尾くんはいつかのデジャブのように慌ただしく部屋を動き回っていた。
「……おはよ」
「あー、おはよ!朝飯適当にチンして食べて!」
「……バイト?」
「うん、寝坊しちゃって、行ってくる!」
身支度をした伊野尾くんはキャップを被ってバタバタと玄関へと向かう。
ちょっとの間、その背中を眺めた後、
俺は伊野尾くんの腕を掴んで引き止めた。
「ちょ…何!?遅刻すっ…」
ごちゃごちゃ文句を言う唇を奪うとビクッと肩が揺れて、ゆっくり離れると目を見開いて顔を真っ赤に染めている。
「…帰ってきたら…ちゃんと伊野尾くんの気持ち聞かせてよ?」
これ以上この関係を曖昧な状態にしておきたくないし。
ちゃんと話がしたい。
突然だったからか伊野尾くんはちょっとの間フリーズした後、口元に手の甲をもっていってわなわなと震えた。
大丈夫?と声を掛けようとしたら見事な回し蹴りが飛んできて思わず避ける。
「あぶな!伊野尾くん空手でも習ってたの!?」
「うるさい!死ね!!ばかき!!」
俺に背を向けた伊野尾くんは扉をバタン!と雑に閉めて、部屋を出ていってしまった。
………伊野尾くん、さてはツンデレだな。
ツン要素がだいぶ多い気もするけど。
好きって気持ちが強いからか、そんな所も愛おしく思えてきたや。
「ふは、早く帰ってこないかな」
伊野尾くんから文句を言われないように部屋を綺麗に掃除しながら待っておこう。
伊野尾くんが帰ってきたのはお昼すぎだった。
てっきり1日バイトなのかとおもっていた、モップがけをしていた手を止めて帰ってきた伊野尾くんにおかえり、と微笑む。
「……ただいま」
被っていた帽子を脱いだ伊野尾くん、髪の毛がぴょんっとはねている。
多分朝の事があったから、警戒気味なんだろうな、ちょっとぎこちない感じだ。
「伊野尾くん、あの…」
「わ、分かってるから!ちょっと待って…」
話を切り出そうとすると、顔の前に両手で壁を作って俺の言葉を遮った伊野尾くんはじわじわと後ろに後ずさりをした。
待っててもいいんだけど、でも…
そんな必死に顔を隠そうとするから見たいなぁなんて思っちゃった。
ずいっと近付いて両手を掴み、よけるとほんの少し抵抗したけど呆気なく伊野尾くんの可愛い顔が見えて
「…待ってって言ったじゃん」
と、俺を睨みつけた。
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shootingstarhap(プロフ) - supikaさん、読んでくださってありがとうございます…m(_ _)m自信がないので、もし空いてる時間があったら是非、感想くださいm(_ _)mよろしくお願いします(^^)頑張ります(^-^) (2020年6月21日 9時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» 最後まで読んでくださってありがとうございました!昇天しちゃいそうですね〜笑笑 お話書き始めたんですね!読ませていただきました(´˘`*)楽しみにしているので更新頑張って下さいね♪ (2020年6月21日 9時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 番外編読みました(^^)そうだったんですね…!このこと睫擇気鵑知ったら、昇天しち(いますかね?あー…教えてあげたいです(笑)ずっと書き手さんって凄いと思っていましたが、自分も書いてみて、改めて書き手さんって凄いって思いました!また楽しみにしています(^-^) (2020年6月21日 1時) (レス) id: 841a63da71 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - musicmans5962さん» そうなんですよ!笑 裏設定でずっと考えていたのですがなかなか出すタイミングがなく番外編にしてみました!睫擇気鵑瓩辰舛磴瓩辰舛禊遒屬任靴腓Δ 笑笑 読んでくださってありがとうございました! (2020年6月21日 0時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
musicmans5962(プロフ) - きゃあ!もうそうなんですねいのさん。いのさんの方が先に睫擇気鵑卜に落ちてたんですね( ´ ▽ ` )きっとそのことを睫擇気鵑知ったらものすごい喜ぶんだろうなあ( ´∀`)番外編も読めて、めちゃくちゃ嬉しかったです!ありがとうございます。 (2020年6月20日 23時) (レス) id: 65437c10de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年5月11日 12時