ハロー！スプリング ym×in

ぎゅってしたいです ページ33

「へへ…自分でつくった！って思うといつもより美味く感じるね！まぁ、ほとんどつくったの山田だけど」

「そんなことないよ、伊野尾ちゃんありがとう」


…今日の伊野尾ちゃんはなんか変だ。
いつもと違う、なんていうか、しおらしい。


そんな彼の姿を見ていると、率直に自分の気持ちを伝えたくなった。


「……あの、伊野尾ちゃん」

「ん？」

「…えっと、ぎゅって…したい…です」



伊野尾ちゃんは目を見開いて、そのまま動かなくて。

だめ…？と弱々しく聞くとハッと我にかえったように、ダメじゃないよ…と答えてくれた。

嬉しくなって、椅子から立ち上がって座ったまんまの伊野尾ちゃんを抱きしめる。

俺の腕の中に小さく収まっている伊野尾ちゃんは可愛いけど、この体制じゃ表情とか見えないな…ちょっと失敗したかも、なんて思いながらも心臓はドクドク音を立てて鳴り止まない。


…伊野尾ちゃん…好きだなぁ。
ずっとずっとこうしていたい。


名残惜しさを感じつつも、あんまり長いと嫌われるかなと思って俺は伊野尾ちゃんを体から離そうとした

…のだけど。

離そうとした瞬間に俺の背中に急に伊野尾ちゃんの手が回って、再びぎゅっと伊野尾ちゃんの顔はおれの胸に押し付けられた。


……え？ええ！！
どうゆう状況！？これ！？

嬉しいやら、恥ずかしいやらで頭の中は大混乱で顔が急にボッと赤くなったのが分かった。


「い、伊野尾ちゃん…！？」

「ち、違くて、えっと…」


伊野尾ちゃん自身も混乱しているようだった。

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