ハロー！スプリング ym×in

虹が見えました ページ4

「た、だだいま…」


さすがに疲れた…。
伊野尾ちゃんをソファに寝かせて、俺も床に倒れ込んだ。

…てか俺、結局ぜんぜん飯食ってないし。
腹減ったぁ…とお腹をさすっていると


「…んんっ」


ソファの上から唸り声が聞こえてきた。
え！？伊野尾ちゃん起きる！？もう！？

…いやいやいや、落ち着け、俺。
取り乱すな、クールにいるんだ。
堂々としてろ、やましいことなんてひとつもないんだから！

心の中でそう意気込んで、起き上がる。


仰向けで寝ていた伊野尾ちゃんはむくっと体を起こした。
髪の毛はぼっさぼさ。

ぼけー、周りを見渡して、俺と目が合って


「やまだぁ…」

「…あ、まだ酔ってるのね」


店員さんの話によると相当飲んでたみたいだし。
さっきと同じ喋り方の伊野尾ちゃんは、俺の方を見てへらっと笑った。

…か、かわいい。



「伊野尾ちゃん、あのさ」

「ほぇ？」

「…さっき、なんで泣いてたの？」



無神経、だとは思うけど今なら酔ってるし、聞いても大丈夫かな。
こうでもしないと伊野尾ちゃんは本当の事、話してくれそうにないし…。

俺の質問に伊野尾ちゃんは全く表情を変えなかった。



「………ひっく…」

「…大丈夫？」

「気持ち悪い…吐く…」

「そっか……はい！？」


突然の事に慌てて、どどどうしようと部屋を2、3周した後にたまたま目に入ったビニール袋を伊野尾ちゃんに華麗なスライディングをして渡した。

…俺、サッカーしててよかったぁ。

リバースする彼の声が部屋中に響き渡り、キラキラと光り輝く虹が見えた…(ような気がした)

あの、伊野尾ちゃん…。
空腹の俺にとってそれ、結構きついっす…。

事実しか言ってません→←らしくないじゃん

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