ハロー！スプリング ym×in

期待してるにゃー ページ23

風呂上がりの伊野尾ちゃんは俺がこの前しつこく言ったから、無防備な格好では出てこなくなった。

今日もちゃんと上下スウェットだ。
でも、でもね…隠しきれてないんですよ…色気が…。

ぽっと少しだけ赤くなった頬が色っぽい…。
いつもは髪の毛で見えない耳がチラリと見えている。
……死ぬっ！！


「ぬぅおお！！拷問だぁー！！」

「はぁ？」

「俺も風呂入ってくるっー！！」


その場に留まる事が出来ずに、脱衣所に逃げ込んだ。
ゴンゴンと頭を壁に打ちつける、せっかく信頼を得たんだ…しっかりしろ…理性を保つんだ、俺…。
…本当に伊野尾ちゃんは自分の魅力をわかってないんだよ、そう思いながらやっと服を脱ぎ始める。

ちょうどＴシャツを脱ぎ終わった瞬間、ガチャっと脱衣所のドアが躊躇なく開いた。


「やまだー、バスタオルのストックもう無かったから…あ…」


…あんたねぇ、ノックくらいしなよ。
目をまるーくした伊野尾ちゃんとばっちり目が合った。
まぁ上半身の裸くらいならいくらでも仕事で見てるだろうけど…


「ごめん、バスタオルここ置いとくね」


マイペースにパタンと閉められたドアをしばらく見つめた。


俺って…俺って伊野尾ちゃんにとってなんなんだ…。






風呂からあがると伊野尾ちゃんはソファに体操座りしていた。


「あ、おかえり〜」

「待っててくれたんだ、眠くなかった？」

「ん、おやすみ、言ってなかったから」


あんな眠そうだったのにおやすみ言うために俺の事待っててくれたの？
そんな律儀なところがかわいくて、顔がほころんだ。

膝を抱えながら眠そうに目を擦ってる、俺は思わず伊野尾ちゃんのふわふわの頭を撫でた。


「…なに？」

「なんか、猫みたいで可愛いなぁ〜って思って」


にゃー、やまだ、明日美味しい朝ごはん期待してるにゃーとふざけたつもりで言ったんだろうけど、俺には効果てきめんだった…。

やめろ…可愛すぎるから…シャレにならん…。


「ふぁ〜、そろそろ寝るわ〜」


そういった伊野尾ちゃんは立ち上がった。
伸びをした瞬間にお腹がチラリと見える。


「…暖かくして寝てね」

「やまだ、かーちゃんかよ。おやすみ〜」


気だるげにそう言うと伊野尾ちゃんはヒラヒラ手を振って寝室へと消えていった。


明日、早起きして伊野尾ちゃんが大好きな鯖でも焼こうかな…。
そしてあわよくばぎゅーってさせてくんないかな…なんて下心丸出しの餌付け作戦を考えていると俺もいつの間にか眠りについていた。

恋しいごはん→←これは未遂ですね

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