好きかもね ページ37
side やまだ
「…しても…いいの?」
「…うん」
俺の方を見ずにそう言ってきた伊野尾ちゃんの顔は赤かった。
服の裾をきゅって掴んで、そのまま引っ張られて…
「…やまだへの気持ち、確かめたいの、だからもう1回キスして」
伊野尾ちゃんの口から発せられた言葉は俺にとっての都合のいい聞き間違いとかではなく、ちゃんと確かにそう言っている。
あまりの急展開に混乱して、言葉を出せないでいると伊野尾ちゃんは掴んでいた俺の衣装の裾をまた引っ張った。
「…だめなの?」
だ、だだ、ダメなわけ…!!
そりゃしたいに決まってるけど!!
本当にしてもいいのか!?
あたふたしている俺の事を伊野尾ちゃんはじっと見つめて、待っている。
…もう!どうなっても知らないからね!?
覚悟を決めて、俺は伊野尾ちゃんの顔に自分の顔を近付けた。
…触れるだけのキスをすると伊野尾ちゃんの肩がビクッと揺れた。
なんだよ、その反応、可愛すぎる。
ゆっくりと顔を離すと伊野尾ちゃんは目を開いて、頬を桃色に染めた。
そのまんま、もう1度俺の事を見つめくる。
「やまだ…」
「…何?」
「おれ、山田のこと好きかもしれない」
へ!?
今度こそ聞き間違いかと思った。
でも…
「…何?嬉しくないの?」
そう言って、拗ねたように俺の事を睨みつける伊野尾ちゃんはいつもの伊野尾ちゃんだった。
「う、嬉しいに決まってるじゃん!俺、ずっと片思いしてたんだよ!?今この瞬間をどれだけ待ってた事か…!」
思わず早口で口走ると、クスクスと笑った伊野尾ちゃんは首をこてん、と傾ける。
あざとさ純100パーセントだ。
「…じゃあ、これからもよろしくね?やまだ」
「うん…!こちらこそ!」
ほら!みんなの所戻ろう!と伊野尾ちゃんは俺の手を引いてその部屋を後にした、けど…
ちょ、待って、俺、顔にやけてるかも。
伊野尾ちゃんが俺の事好きなんて、夢みたいだ。
「い、伊野尾ちゃん!」
「ん?」
俺の手を引く伊野尾ちゃんをこっちに引き寄せた。
あの時と同じように伊野尾ちゃんのふわふわの髪の毛はゆらゆらと揺れる。
さっきとは違い、今度は強引に唇を奪ってやった。
「こ、こんなところですんなよ!!バカ!!」
「ごめん、つい…」
なんとなく、伊野尾ちゃんのペースになっている気がしたからそれを崩す事が出来て俺は満足して、再び歩きだす。
真っ赤っかの伊野尾ちゃんは掴んでいた俺の手を離して、自分の顔を隠した。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時