答えは出てるじゃん ページ35
「はぁ…」
思わずため息が盛れてしまった。
2月に入り、最近更に寒い。
楽屋にあったブランケットを被って丸まり、空き時間を過ごしているとつんつんと誰かに背中をつつかれた。
「悩み事?」
「…大ちゃん」
にへらぁ〜と笑う大ちゃんは俺の隣に座り、俺のほっぺたにあたたかいホットココアを当てた。
「あったけぇ〜…」
「飲んでいいよ、俺の奢り」
「さっきそこでスタッフさんが配ってたやつじゃん、これ」
無駄にかっこつけた大ちゃんがてれっと笑った。
それで?なんのため息?とすぐに本題に戻してくる。
「…俺って山田のこと好きなのかな?」
「は?好きだから付き合ってんでしょ?」
あ、そうか。
ほかのメンバーは俺達は両想いだと思ってるよね、そりゃそうか両想いじゃないと付き合わないもんね。
…んー、まぁいいや、言っちゃえ。
「…実は、いろいろあって山田から告白されて断れない状況にあってさ。俺は山田を恋愛感情では好きじゃない状態で付き合ってたの、今まで」
「え…初耳なんですけど…なぜ今のタイミングでそれ言ったの」
それはぁ、俺が大ちゃんの事好きだったから…。
と、思いつつ上手く誤魔化した。
アホな大ちゃんはすぐに言いくるめられるから楽チンだ。
「で…ね、この前やまだが酔った時にキスされて」
「やまだ、あれだけ悩んでたのに結局酔った勢いかよ…」
大ちゃんは呆れて額を手で押さえた。
「それで?やまだとの初キスはどうだったの?」
「どうもなにも…」
…その、たった1回のキスのせいで俺、なんかおかしいんだよ。
この前、急に見つめてきた時もよく分からなくてフリーズしちゃって、山田が部屋を出ていった後も心臓音が鳴り止まなった。
全然寝れなくて、こんなドキドキしてる自分がなんか嫌で、当の本人はキスしたことなんて忘れてにこにこしてて…それにイライラして…。
昨日の朝はなかなか山田が起きてこなかったから疲れてるのかな…と思ってお腹空いたけど起こさなかった。
いつも山田に料理作らせちゃって、さすがに悪いな。
今度俺が作ってあげようかな、だったら山田に料理教わろうかなとか…なに乙女思考働いてんだよ…俺。
……山田のせいで頭ん中ぐちゃぐちゃだ。
そんな俺をみて大ちゃんはまた笑った。
「なんだ?もう答え出てそうじゃん?」
「え?」
「いや〜若いねぇ」なんてジジィみたいなこと言いながら立ち上がり、俺の頭をぽんぽんと叩く。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時