決め手はデザートです ページ13
「お、おいしぃ〜…」
伊野尾ちゃんは幸せそうな顔でハンバーグを食べた。
唯一の生きがいらしいからね、食べる事が。
「おかわりあるよ、遠慮しないでね」
「えへへへ、幸せ〜」
白米のおかわりをお茶碗てんこ盛りについだ。
口もとをゆるめて、ヘらへら笑っている。
やっぱり可愛い…。
餌付け作戦、成功だな。
「…ところで伊野尾ちゃん、ひとつ提案があるんだけど」
「ん〜?」
「ごはん食べてる時いちばん幸せなんでしょ?…じゃあさ、その幸せ俺があげればいいじゃん」
目をぱちくりさせた伊野尾ちゃんはあまり言葉の意味を分かっていないようだった。
「だから、毎日ご飯食わせてあげる!って言ってんの!」
「おおう?」
「住めば?ここ」
伊野尾ちゃんが飲んでいたお茶で思いっきりむせた。
この人って漫画みたいなリアクションするよな。
「げほっ、いきなり変なこと言うなよ!」
「別にいきなりじゃなくない?付き合ってるんだし」
「そーだけどそうじゃないだろ!」
慌てる伊野尾ちゃんはない!絶対ない!と否定的。
いいんだ、いいんだ、その反応は予測してた。
こっちにも考えってのがあるんだよ。
「毎日俺の美味しいご飯食べれるし、リクエストも答えるよ?掃除とか洗濯とか家事全般はぜーんぶ俺がするし…」
「…ほう」
ほら、悪くないなって顔してる!あともうひと押し。
「食後のデザートも用意するし」
「………ふーん、まぁ、山田がそこまで言うなら住んでやらなくもないよ?」
俺がチラつかせた餌に見事に食いついた伊野尾ちゃんは「毎日美味いご飯食える〜」と呑気にヨダレを垂らしていた。
…まぁ俺から誘っといて言うのもなんだけど
警戒心無さすぎじゃね?
あんたの事好きって言ってる男だよ?
いつ襲われるかわかんないよ?ちゃんと分かってんのかなこの人。
まぁ、俺にとっては好都合だから、それはあえて今それは言わないでおこう。
「やまだ!朝ごはんは絶対米な!」
「はいはい、分かったよ〜」
「トマトも常に冷蔵庫常備な〜」
「げ…、わ、わかった…」
…それにしても本当に食い物の事にしか関心ないなこの人。
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(名前)ここな(プロフ) - supikaさん» 無理言ってしまってすいません!supikaさんの作品全て大好きなので、ぜひお願いします!笑 (2020年4月3日 9時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - (名前)ここなさん» ここなさん!そんな風に言って頂けて嬉しいです!続編ですか〜〜笑 検討してみます!!笑 (2020年4月3日 6時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ここな(プロフ) - ほんとにもうsupikaさんが書くもの全部好きです!もうどれもめちゃめちゃキュンキュンして、全部続編描いて欲しいぐらいです!笑笑 (2020年4月3日 2時) (レス) id: f0baab4516 (このIDを非表示/違反報告)
supika(プロフ) - shootingstarhapさん» コメントありがとうございます!感情の描写が上手く伝わっているようで嬉しいです!苦労して書いた甲斐がありました…笑 (2020年3月23日 20時) (レス) id: c2fc507797 (このIDを非表示/違反報告)
shootingstarhap(プロフ) - 読みました(^^)supikaさんのお話は、2人の気持ちが知れてこの時こういう気持ちだったんだ…とか知れてお話の世界にすっと入って…。素敵なお話でした。是非この後の2人のイチャイチャをもっと見たいなと思いました。凄く癒されました(^-^) (2020年3月23日 6時) (レス) id: 29c1b2b83b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:supika | 作成日時:2020年2月12日 23時