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私が覗いているのをみると、怒っていた男性はツルギさんと話すのを止めこちらを向いた。
「あー…はじめまして？
俺はお前の武術の先生をやってたんだけど…覚えてるか？」
私は静かに首を横に振った。
「そうか。
流の意思で決めたことだから俺に口を出す権利はねぇけどさ。
今のお前はあの“流”とは別人みたいなものだとしても根っこの所はあの子と同じだろ？ってことは溜め込むタイプなんだろうからちゃんと悩んだら誰かに相談しろよ。
そんだけだ。じゃあな。
…ツルギ、お前はちょっと来い」
「はい…」
と、そう言うと男性はツルギさんと一緒に消えた。
いい人そうだったなぁ。
“私”はきっとああいういい人に囲まれてたんだろう。
…あの人は私に根っこの所は“私”と私は同じだろうと言ったけど、私たちは根っこだけしか同じじゃないんだよ。
あ、そういえばツルギさんにお仕事について訊くんだった。
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作者名：雪染めの蝶 | 作成日時：2019年6月2日 23時
