ガチギレ ページ5
ｱｰ,ﾖｲｻｯ！ｴｲｻｯ！ｾｲﾔｯ！ｴｲﾔｻｯ！
…？
「あ、僕のスマホだよ、ごめんね〜☆
もしもし！？悠ちゃんの愛するツルギさんだよ(はぁと)」
着信音としては明らかにおかしいと思うんだけど…。
「黙れカス」
「辛辣だなぁ…」
なんて話しながら出ていったツルギさん。
電話の向こうの人すごいハッキリイラついてるなぁ。
「えっと…」
女の人に話しかけようとするも名前がわからない。
が、女の人はすぐにそれを察したらしい。
「あ、はじめまして…？だね！私はユラ、一応今は戸籍上あなたの親にあたるかな？
そっちの私のこと忘れてたカス上司はアロ、あの人も戸籍上あなたの親だよ」
新しい親…？
『私』は吹っ切れたのかな。
…もう、お母さん達のこと忘れちゃったのかな…。
「…あのね、あなたじゃない方の流は私たちを名前にさん付けで呼んでたの。
お母さんとお父さんはもういるからって」
「！
…そうですか……」
よかった。…のかな。
きっと、本当は吹っ切れてる方がいいんだろうな。
でも、『私』にもちゃんと私に近いところはあるんだ…。
「あ、そういえば父さんが何か君に渡すものがあるって言ってたよ。…まだ電話中かな？」
そう言ってアロさんは廊下を覗くため扉を開けた。
するとそこには＿＿＿＿！！
「なぁ俺さ、一声くらいかけられる権利あったよな？」
「はい……」
「俺もあの子のこと大分大好きなんだよ。わかるか？あ？」
「はい……」
「手塩にかけた弟子がしばらく別人になりますってさ、事後報告でいいと思ってんの？なぁ。」
「すみませんでした……」
見知らぬ人に土下座するツルギさんがいました。
…ん？さっきあの人前の神様って言ってたような…。
何にせよ、ユラさんよりも恐い。
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作者名：雪染めの蝶 | 作成日時：2019年6月2日 23時
