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風評被害 ページ26

「ふーん。
ヒソカの会社で働いてるんだ。可哀想だね。
そんなにお金ないの?」

「いえ、そういうわけでは。」

私は、再びエレベーターに乗って上の階へと向かっている。
…一応、お客様をご案内するのが仕事だと言われたので。

というかかなり酷い言い草だけどこの人は社長の知り合いではないのだろうか。

「キミって月川って名前だったよね。
ワケ有りならウチのメイドやらない?
なんか知り合いに似ててキルがなつきそう。」

…メイド……。
メイドがいる家って本当にあるんだ…。

「せっかくですが今回はお断りします。
またご縁があればということで。」

「そっか。
まぁ別にそこまで欲しかったわけじゃないからいいけど。
キルにはオレと家族と_____…、オレと家族だけで充分だからね。」


何を言おうとしてたんだろう。
…まぁいいか。

……とにかく、この人がその『キル』という人のことが大好きなのはよく分かったし。

「その『キル』…という方はあなたの家族なんですか?」

「…あ、まだ名前教えてなかったっけ。
オレはイルミ。
キルはオレの弟。」

あぁ、弟さんか。

「弟さんのこと、とても大事にしているんですね。」

「キルは、天才だからね。
誰よりも優れた暗殺者に育ってもらわないと。」

…暗殺者…?

「イルミさんは暗殺者なんですか?」

「うん。」

…まぁ異世界らしいし、そういう職業もあるか。

「すごいですね。
暗殺者なんて初めて見ました。」

やっぱり強そうだしなぁ。

「…全然驚かないね。
さすがヒソカの会社に入るだけはあるよ。」

…何か、社長のせいで私の人間性まで風評被害を受けている気がする…。

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作者名:雪染めの蝶 | 作成日時:2019年6月2日 23時

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