ありがとう、大好きでした。【ヒソカ】 (ページ21)

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謎が深まるページ21

自分のデスクに戻ったはいいものの、いかんせんやることがない。

…さっきの対応は、あのマチっていう美人さんに嫌な思いをさせてしまっただろうか。

もっと良い言い方があったのではないかと、今更後悔する。

「ケロケロッ」

胸ポケットから不意に鳴き声がする。

「ウメウさん。

…私、今日はあなたのことを連れてきた記憶がないんですが。」

そういえば朝からずっとウメウさんを見ていなかったような…？

いや、でもいたらさすがに着たときに気づいていたはず…。

「ウメウさんは不思議なカエルさんですよね。
…というか、本当にカエルなんですか？」

なんか、見た目がキャラクターっぽいし…。

ウメウさんは私の言葉を理解していないのか、無視してデスクへと降りた。

そしてペンを持って、突然現れた紙に何かを書いている。

…突然現れた紙？と思った人もいるだろうか？

私も思ったけど文字通り突然現れたんだよなぁ。本当にウメウさんは一体何なんだろう？

コンコンっとペンが机を叩く音がした。

ウメウさんが鳴らしたのだろう。

一体何を書いたのかなと思いながらウメウさんの方を見るとそこには＿＿＿＿＿。

『元気出せ』

達筆な美しい字で、たったの4文字。
でも、優しさが滲み出ている4文字。

「ありがとう、ございます。
少しだけ…、元気が出ました。」

「ケロッ。」

ウメウさんは優しいカエルだなぁ。

「月川クン、二人ともそろそろ帰るそうだからお見送りをお願いしてもいいかい？」

そう言いながらヒソカさんが扉から顔を出した。

「はい、了解しました。」

あ、ウメウさんを胸ポケットに戻さないと。

あれ、紙もウメウさんもデスクから消えてる。
ペンも元の場所に戻ってる。

…？

本当に本当に、
ウメウさんって一体…？？？