三十八万円 ページ38
ざっくりまとめよう。まず一言。疲れた。そして値段を聞きたくない。幾らこのコーデにかかったか聞きたくない。そして汚せない。汚したら私が多分死ぬ。
説明すると、まず、水族館へ行き、お昼に高いイタリアンレストランに行き、その次に何故か有名ブランド店へ買い物。最後にデートスポットでまったりしたのだ。
しかも移動する時黒塗りの高級車で移動なのだ。そういえばコネシマ、実家が金持ちだったな。運転者さんが坊っちゃんとか言っていた。
「んじゃディナーやな」
『…待ってまだ、行くの…？』
「？あぁ。じゃ、行こか」
『………』
ヒールだから足が痛い。本当に痛い。コネシマは靴だからいいな。
『……』
5つ星レストラン。最低限のマナーしか分からない。しかもセレブしかいない。全員美しい婦人や、イケメンな旦那しかいない。私だけ場違い。
「ど、どうや。うまいか？」
『…ええ。美味しゅうございます』
ビビりすぎて味が全くしない。手が震える。今、席を立ったら生まれたての小鹿になってしまいそうだ。
「………今日、楽しくなかった……？」
『え』
「顔楽しそうやない、から……」
『あ、えっと、楽しいですよ！』
ヤバい。顔に出てたかも。せめて営業スマイル。にっこり笑ってみせる。
「……や、っぱ、楽しくなかった、か…」
コネシマの目から、涙が流れた。
『…え"』
「…そ、うよな。楽しくないよな。ごめんな、」
ポロ。ポロ。涙を一粒、一粒流している。驚き、動揺する。どうしたら、いいのか。あたふたとしてしまう。
「何？別れ話…？」
「あの男の人がフラれたのかな？…男の人、可哀想。顔も収入も申し分ないと思うんだけどな」
「だよね。あれは優良物件だよ。何で別れるんだろ。彼氏さん、泣いちゃってるし」
「せっかく良いレストランに連れてってくれたのに………何かあったのかしら」
周りの視線が痛い。まずはお店を出なくては。コネシマの手を引いて、店を出ようと動く。
『ちょ、お店出ましょうか！あ、お金……』
「……ん、か、ーど」
『あ、どうも、……出ましょう！一回出ましょう！』
『…泣き止みましたか』
「…お"、ん」
レストランから少し離れた川に掛かってある橋の上。丁度ベンチがあったから良かった。そこに座って、コネシマが泣き止むまで傍に居た。
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ゴマ(プロフ) - 茉桜さん» コメントありがとうございます！お褒めいただき光栄です！応援もありがとうございます！ (5月21日 17時) (
レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
茉桜(プロフ) - コメント失礼します！あの、もうなんかめちゃくちゃよかったです！文才がえぐいですね…これからも頑張ってください! (2023年5月6日 12時) (レス) id: f0df4fb1f7 (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - いちごおしちゃん☆さん» 不器用knさん、お気に召したようでなによりです！！そう言ってくださるとモチベに繋がります💪 (2023年5月5日 23時) (レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - 妖怪続きくれさん» コメントありがとうございます！！ (2023年5月5日 23時) (レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - もう!!ツンデレ、不器用knさん好きｯ!!!マジで大好きな作品です!!! (2023年4月1日 19時) (レス) @page43 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴマ
| 作成日時：2021年10月3日 19時
