▽しっぱい ページ40
「ねえ、さん。マジで遅れてごめん、ほんまに」
『あ。うん、大丈夫だよ……あの人、大丈夫、なの？』
「は？ローレンのこと？あいつのことは今はええやん。てか、それ、で、さ、その格好、なんやけど……」
現在、私の格好はパジャマ。パジャマで、街中を歩いているのだ。
引かれても、可笑しくはない。今度は羞恥心でまた頬に熱が籠ってきた。言い訳をどうにかして言おうと頭を捻らせた。
『あ、あのこれ、は』
「お、俺が同じの持ってるの知っててお揃いの買ったん？」
『……ん？』
「うっわ、なら俺それ着てくれば良かった…！！てか姉さん、スマホちゃんと見てや！俺めっちゃ連絡してるのに、全然見てくれやんやん。なんで？」
弟もパジャマで街中を歩いているという事実に驚きを隠せない。ローレンが買ったこのパジャマもお揃いで着ているなんて、口が裂けても言えない。満面の笑みで嬉しいと言う弟に、そんなことは告げられない。
そして息をつく間もなく、だるまにスマホのことで問われた。
『……ちょっと、ね、……うん』
「失くしたん？」
『……うん』
「なら俺が一番新しい最新のやつ買ってプレゼントするわ！」
『あ、ありがとう……』
「あとさ、姉さん。お願い…あるんやけど」
下を向きながら、だるまは私に言った。昔から、変わらない。私に何かお願いする時はいつもそうだ。下を向いて、弱々しく訊いてくるのだ。
『なに、かな？』
「再開のハグ、まだしとらん、やん」
『…うん？』
「だめ？」
『…………流石にこの年で…』
「俺、姉さんに言われた通り姉離れするためにこの街に来たんやで？」
…だるまの言う通りであった。
弟はシスコン気味であり、姉離れをさせるために私はお互い家を出ることを提案した。どこに行くかは明確に伝えないが、定期的に連絡を取り合うことだけ約束して家を出た。
だるまの、駄々を捏ねる姿は、今でも鮮明に覚えている。最後の最後まで私の提案を反対するあの時のことを。
だが治安もクソもない街に暮らしているとは知らなかった。ギャングのボスをやるなんて知っていたら、こんな提案していないだろう。
「姉さん、俺、全部姉さんの言う通りにしたんやで。やから、一つくらい俺のお願い聞いてや」
『……そ、う、ね。うん。はい』
両手を広げるの、だるまは安堵の表情を浮かべて、抱きついてきた。
「…やっぱ、姉さんしかおらんわ。もう二度と離れん」
…あれ、姉離れ、失敗ですか、これって。
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ゴマ(プロフ) - 飴玉くんさん» 別作品からありがとうございます〜！！そう言ってくださると嬉しいです！！こちらこそ、閲覧及びコメント誠にありがとうございます、感謝です💕 (11月4日 22時) (
レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 鬼畜過ぎて攻略できないからここに辿り着きました!!!ホントにうんめいの出会いなんですよね！！！神作品を産んでくださりありがとうございます！！！！！ (11月4日 10時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - かたかナさん» わー！そう言ってくださると嬉しいです！！！！こちらこそ閲覧及びコメントありがとうございますーーーーッ！ (10月2日 0時) (レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
かたかナ(プロフ) - ｱｱｱｧｧｱ〜〜〜〜こういうの本当大好きなんですありがとうございます〜〜〜〜〜 (10月1日 22時) (レス) @page39 id: 2ce3047e1b (このIDを非表示/違反報告)
羽月(プロフ) - ゴマさん» 自分だったらもう関わりたくないレベル…主人公、無理矢理逃げないの優しいですね (9月16日 19時) (レス) id: 9c44afdfe5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴマ
| 作成日時：2023年9月2日 21時
