▽ ページ34
「ねえ、なにしてるの？」
全身から血の気が引いた。声の主は、叶さん、だ。目を向けると、バイクを押して張り付けたような笑顔を浮かべていた。
「ボス分かった一回離す！！A一回離すから待って！！！」
「二度と姉さんに触れられると思うなよオマエ？」
「いや流石に無理やね」
あ、終わった。ローレンが離れるが、もう既に遅い。不穏の空気を察知し肌にピリピリと伝う。
「……で、何してるの？」
「叶さん聞いて！Aさんローレンと結婚してるって！」
「へぇ」
小森さん待って違う。それは爆弾発言、だった。小森さんに悪気はないかもしれないが、この状況でその発言は駄目だ。私が否定の言葉を出そうとしたが、先にだるまが口を開いた。
「はァッ！？そんなわけないやろ！！！！姉さんがローレンとォ？ないない、絶対ない。俺が許すわけないやろ」
「いやでもこれ、運命だから」
「オマエほんまに姉さんの目の前に二度と現れんな」
そんなだるまとローレンのやりとを見て、「へぇ、弟って……ふぅん？」と叶さんは呟いた。目は、笑っていなかった。
それはそうだ。ローレン達と無関係と言ったのは、紛れもなく私だ。それはそうか、うん終わった。
「何してんの？」
「………」
絶望の最中、追い討ちをかけるように、葛葉さんとせりーさんが、階段から降りてきた。
「……Aさんって、確かギャングの被害者で無関係だったよね」
『そ、う……で、………』
「叶さん俺の姉さんビビらせやんといてや」
「叶さん俺の嫁さんにやめてくださァい」
『………すみません』
だるまがローレンに殴りかかったがそれを無視し叶さんに頭を下げる。どうしよう気まずい。顔を伺うも、張り付けたような笑顔が怖くて目を逸らしてしまう。
小森さんはどうしようどうしようとあたふたしている。本当に結婚してる報告はしてほしくなかった。てか結婚してません。悪気はないかもしれないが本当にやめてほしかった。
「……念のために、荷物検査だけしていい？」
『えっ』
「やましいことないなら、いいでしょ？」
「叶、この人マジで一般人だから」
私の肩を持ったのは、葛葉さんだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1847人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゴマ(プロフ) - 飴玉くんさん» 別作品からありがとうございます〜！！そう言ってくださると嬉しいです！！こちらこそ、閲覧及びコメント誠にありがとうございます、感謝です💕 (11月4日 22時) (
レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
飴玉くん - 鬼畜過ぎて攻略できないからここに辿り着きました!!!ホントにうんめいの出会いなんですよね！！！神作品を産んでくださりありがとうございます！！！！！ (11月4日 10時) (レス) id: bc84786978 (このIDを非表示/違反報告)
ゴマ(プロフ) - かたかナさん» わー！そう言ってくださると嬉しいです！！！！こちらこそ閲覧及びコメントありがとうございますーーーーッ！ (10月2日 0時) (レス) id: 048acd4b1b (このIDを非表示/違反報告)
かたかナ(プロフ) - ｱｱｱｧｧｱ〜〜〜〜こういうの本当大好きなんですありがとうございます〜〜〜〜〜 (10月1日 22時) (レス) @page39 id: 2ce3047e1b (このIDを非表示/違反報告)
羽月(プロフ) - ゴマさん» 自分だったらもう関わりたくないレベル…主人公、無理矢理逃げないの優しいですね (9月16日 19時) (レス) id: 9c44afdfe5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゴマ
| 作成日時：2023年9月2日 21時
