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『うどん伸びるよ』
「うわやっば」
私が指摘するとうどんに急いで箸をつけた。そういえば、今思い出したがだるまさんの連絡先貰っていない。ありさかさんの連絡先を貰っただけで満足していた。
ここで呑気にカレーを食べている場合ではない。今からでもだるまさんの連絡先を貰わなければ。そうと決まれば有言実行。
『きなこ、先行っておくから。今日も委員で遅くなるから先に帰っておいていいよ』
「エ、ちょまっ」
『またね』
何か言いたげだったが、私は急いで教室に戻ろうと食べ終わった食器を持って立ち上がる。きなこには悪いが、これも私の乙女ゲームライフのためだ。許してくれ。
(っ〜〜〜！Aのあほぉ…！！)
*
『だるまさん、』
「…ちょぉっと待ってくれへん？？あ、マジちょ、待ってや」
放課後、かちかちと鳴らしゲーム機の画面にぴったりと張り付くだるまさんに話しかける。先生からの連絡が終わるとものすごい早さでゲーム機を取り出しプレイし始めたのだ。
【選んでください】
1.今度遊びに行きませんか？
2.連絡先、よければ交換しませんか？
3.特に何もないです。
何ていいタイミングなんだ。最高すぎる。もちろん、2を選ぶ。
【2を選択しました】
『…あの、連絡先交換、しませんか？』
勇気を出して、そう言う。するとピタリとだるまさんの動きが止まった。どうなる、だろうか。いやいける。プリクラがいけたなら、いける。大丈夫だ。
「ア〜……」
反応からして、嫌そうな感じがする。嘘だろ、待ってくれ。プリクラはよくて連絡交換は駄目なのか？ありさかさんは大丈夫だったのに？普通に泣きそうになってしまった。
「あッ待って待って？別に嫌な訳やないから。スマホの……その、…」
私の顔を見ると、慌ててそう言いスマホを出してきた。電源は入れている筈なのに、真っ黒。これはもしや。
『充電、切れ？』
「いやぁ……ハハッ、ゲームやりすぎたわ…」
そういうこと、か。嫌な訳ではないのか。
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作者名：ゴマ
| 作成日時：2023年2月26日 21時
