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『ぱぼって、もしかしてあほとか、そんな意味、だったり…』
「……」
『うわ……』
セリー先輩が無言で頷いた。なるほど、これは手が出ても文句はないな。知らん顔するモンド先輩をどうしてやろうか。難しい日本語で何か悪口を…いや、そんな知識私にはない。
『モンド先輩ぱぼぱぼ〜』
「カス」
『モンド先輩ゴミ』
「黙れよマジで」
『何で日本語そんなに上手いんだ…？』
私が韓国語を学ぶ前に、モンド先輩の日本語が上手すぎて泣きそう。
そういえば、何故セリー先輩は私にぱぼの意味を教えてくれたのだろうか。喉に魚の骨が引っ掛かったような感覚が取れない。
もしかして、少しだけ私のことを好いて…いやない。天地がひっくり返ってもない。私と目が合った瞬間露骨に嫌な顔をしたのだ。嫌われてはいないと思うが、好かれているともいえない。
「…한국어를 기억했나요？」
『…ん？え、はい？』
「A、駄目じゃん。全然、だめ」
『いや、そんないきなり母国語使われても私無理ですよ？』
「この前、買った、やつは？」
『……机の上にあります』
セリー先輩に買わされたも同然の参考書はほんの少しだけ進めている。覚えたのは、親しい人に挨拶をするときに使える「アンニョン」、少し丁寧にした「アンニョンハセヨ」、ありがとうございますを意味する「カムサハムニダ」………くらいだ。いやまだ買ったばかりだから。うん、買ったばかりだから。
『セリー先輩、焼きそばパン、カムサハムニダ』
「おお」
『どうすか』
「発音、へたくそ……」
『はあ〜〜〜？？？？』
次はセリー先輩に手と足が出そうになった。
こんなこと、してる場合ではない。だるま達と食べる約束をしているのだ。急がなければ。
『じゃあ、私はこの辺で……』
「바보」
『……何ですかねモンド先輩』
「いーや？なに？」
『いやこっちの台詞なんですが。その喧嘩倍で全然買いますよ』
「おーこっわ」
急募:憎きうざい先輩の対処法。
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作者名：ゴマ
| 作成日時：2023年2月26日 21時
