…�� ページ41
「……二人、とも、知り合いなの？」
『……知り合い……かもしれない』
「ぽっぽ、知り合い？」
セリー先輩は私ときなのを交互に見て、きなこは私の顔をじっと見て言った。私が肯定すると、まるで魂が抜けたような顔を浮かべた。
「え、あ、そう、なん、だ。へぇ、あ、うん」
「？」
『え、っと……先輩今日は帰りますね、いろいろ、ありがとうございました』
「敬語、使えよ」
『使ってますよね！？』
呆然とするきなこの腕を引っ張ってセリー先輩に挨拶をし、その場から去った。
『ちょっと、大丈夫？』
「………」
『…ねぇ、本当にどうしたの？』
ショッピングモールを出てからかなり歩いた。きなこは黙ったまま、ずっと下を向いている。心配で声をかけるも反応がない。
「…………か、」
『…？』
「ばぁか！！Aのばか！！」
『はぁ！？』
やっと口を開いたかと思えば、馬鹿と言われた。
『馬鹿ってなに？は、え？』
「ばかだよAはぁ！俺の気持ちも知らんでさぁ！！」
『きなこの気持ちなんて、』
知るわけ、ない。
そう言おうとしたが、口をつぐむ。それ以上言ったら、本当にきなこを、傷付けてしまう気がしたからだ。耳まで顔を赤くしながらきなこは、続けた。
「いっつも、いっつもAは、俺の気持ちも知らんで…っ」
『……』
「ばかだよ、本当にばかばかばかぁ……」
♡■■
目を、疑った。きなこの頭の上に少し見覚えのあるものが表示されたのだ。
何故きなこがここまで怒りを露にするのかもそうだが、それ以上に、塗り潰された“好感度を表す数字”から目が離せない。うそ、嘘でしょ。そん、な、わけない。幼馴染みなんだ。小学校の時からの、幼馴染みなんだ。
だから何かの間違い、…の筈だ。
「……聞いてる？」
『…えっ、あ、ご、めん』
「…………っあーもう知らん！！！！」
♡■■【−1】
間違いもクソも、何もなかった。
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作者名：ゴマ
| 作成日時：2023年2月26日 21時
