…�� ページ39
『別に付き添わなくてもいいって言ったじゃん』
「え？俺が着いてくるの、嫌？」
『いやそうじゃ……ないけど』
「間が気になるなぁ、なんか。もしかして嫌い？」
『さぁて、新刊買うか〜』
「嘘でしょ？え…？」
放課後。近くのショッピングモールの書店でよく読んでいる漫画の新刊を買うために訪れた。きなこには先に帰っていいと言ったが、それでも頑なに「一緒に行く」と言い着いてきた。他にも見たいのがあるから別に付き添う必要は無理にないのに…。じとっと、私を見つめてくるがあえて無視して新刊を手に取る。
『他に見たいのあるから、いい？』
「おー、全然いいよ」
『じゃあ十五分後にここに集合』
「…ん？ん？え？？別行動？？？」
『そんじゃまた後で』
「ねえ可笑しくない？別行動マジか……」
韓国語の、参考書買うとなると何を言われるか分からない。手を振って十五分後に、とだけ言いそのまま別れた。
とはいえ、他に見たい漫画、小説があるのは事実だ。それを見て参考書の下見だけすればいいか。軽い気持ちだった。少し、本の少しムカつく先輩に言い勝てるならそれでいい。
『…どれがいいんだ？』
外国語の参考書がズラリと並ぶ棚まで向かうが、韓国語の参考書でも様々な種類がある。「売上No.1」「○○塾オススメ！」「この一冊で完璧」…よく目に入るキャッチコピーばかりの物が置いてある。どれがいいのだろうか。頭を捻らせる。
「────……なに、してんの？」
『っわ！！？』
「……」
聞き覚えがある声だった。後ろから声をかけられ、振り向くと、ピンク髪のあの人がいた。
『セリー先輩、あ、お疲れさま、です』
そう、セリー先輩だ。体育祭の終わりから話していないから、二週間ぶりだろうか。変な生き物を見るかのような目で、私を捉える。
『な、なんですか』
「…おまえ、なにしてる？」
『え、いや、…まぁ、勉強……のために、選んでます、ね』
「……」
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作者名：ゴマ
| 作成日時：2023年2月26日 21時
